これは、NEWS PICKSの人気の連載を書籍化したもの。
現在ある仕事がAIやロボットに置き換えられていく中で、「これからの人材に必要とされるスキルランキング」でどんどんランクを上げている「クリエイティブ思考」とは何か。
それは、既存の小さな問題(当たり前に思っていて、問題とさえ認識していないものも含む)再定義し、イノベーションを使って解決する能力。
過去の小さな成功体験の累積をベースに物事を考えて、時間をかけて調査をしてじっくり計画を練ってから導入・・・というような、今までのアプローチでは今後のビジネスは危ない。
では、どうしたらいいのか。
この本では、当然のように受け止めて来た仕事における行動を15個とりあげて、「〇〇をしない」を書いている。
いくつか紹介しよう。
「名刺は名前以外を見てはいけない」
肩書で人をランク付けする慣習に疑問を呈している。
個人的には、こうなると、“その人個人の魅力を磨かないといけない”ので、退職してから誰も相手にしてくれないので妻にくっつく“濡れ落ち葉”な人は減り、退職後も幸せな人が増えると思う。
役職は、その人の「役割」で、その人自身の魅力を表すものではない。
「周囲からの影響を軽く見てはいけない」
社内で同じような人達とばかり付き合っていては、能力に限界がくる、ということ。
日本は以前は一つの会社にずっといて勤めあげるのがよしとされていて、その会社の文化のみを知っていればよかった。それではクリエイティブな思考はできない、ということ。
最近は仕事や年齢に関係のないイベントが沢山あるので、そういったものに参加して、さまざまな人と会い、広い視点を持つことはいいと思う。
私自身も、ここ数年、会社の外のゆるいつながりが増えてきたが、とても刺激を受けている。
「リバースメンターシップ」という発想
これはとても面白い。若者が年長者をメンターにするのはよくあることだが、これは逆で、若い人に学ぶメンター制度のことだ。
「日本では、年齢の違う友達を持つのが難しい」とかねがね思っていた。私は、理由は日本語の「敬語」にあると思っているのだが。
それはさておき、変化の遅かった以前は、若者が経験していることは年長者もすでに経験していることだった。しかし、今は違う。
私も10歳以上年の若い友人がいて、特にIT関連について教えてもらっている。
今後顧客になる若者から学ぶことで感性を豊かにすることが大切なのは、納得している。
まとめ
上には取り上げなかったが、著者は、「男性もハイヒールを履いてみる」という表現で、視野を広く持つことの重要性をとりあげている。
全体を通して言えることは、「いままでの価値観を疑ってみる」ということ。
そう書くとかなり斬新に感じるかもしれないが、著者の意見にに変な気負いはない。それが、この連載の人気の秘密だと思う。
さらっと読めて、ところどころで「なるほど」と思える。おすすめ。