松屋銀座へ「白洲正子ときもの」展に行って来た。
白洲正子氏と言えば、夫は白洲次郎氏。今でこそ、こういう言い方をするが、存命中は白洲次郎氏よりも白洲正子氏の方が有名だったそうである。
伯爵令嬢として生まれ、高校生の時アメリカに留学。子供の頃から能を習い、免許皆伝。骨董に傾倒。
その後銀座に「こうげい」という工芸品を扱う店を経営。審美眼があり、そこで有名になった芸術家も多い。
以前に読んだ本では、白洲正子氏は、着物は必ずまず自分で着てみてから店に置いたそうだ。
白洲正子氏の着物や帯、バッグ。着物は紬や型染がほとんど。普段着ていたもので、手織りの細かい技術が素晴らしいものばかり。紬が好きな人には一見の価値があると思う。
また、帯との取り合わせもセンスの良さが感じられる。色はシックなので派手さはないが、物の良さが伝わって来る。
他方、能衣装は煌びやかで美しい。当時、戦争による食料不足を見越し、当時は農村だった、現在の小田急線鶴川駅近くに住んでいて(武相荘)師匠から衣装を預かったため、空襲による焼失を免れた。
長女の牧山桂子さんによれば、正子氏は、着物を洋服と同じように見ていたようだという。つまり、「今日は着物を着て行こう」ではなく、着るものを選ぶ時に普通に一緒の中から選んでいたのだという。
松屋銀座8階 「白洲正子ときもの」展は 1/16まで。
白洲正子氏の本は随分前に読んだが、また改めて読みたくなった。