毎年お正月にトーハクが公開している、長谷川等伯の「松林図屏風」。通常料金(一般620円*)で見ることが出来ます。
*2017年1月現在
長谷川等伯は安土桃山時代の画家。お正月に公開されている安土桃山時代の屏風と聞けば、金屏風や美しい花鳥を思い浮べますが・・・。
「松林図屏風」は、白黒の寂しい屏風です。パトロンだった秀吉が亡くなり、自分の息子が亡くなった後に描かれたもの。当時は注文があってから作画にとりかかったのに、この屏風は注文主がわかっていません。
松は常緑樹のためおめでたいモチーフですが、この屏風はそのような雰囲気はありません。
(館内の表示の左に屏風の写真があります。)
しかし、繊細に描かれている松は力強く、木々の間を通ってくる風も感じるくらいリアルで美しいです。16世紀のものがこんなにいい状態で残っていることに感動します。
等伯はどんな気持ちでこの作品を描いたのか。興味をそそられます。
1/15まで。本館正面階段を上がって2階左手奥、「国宝室」にあります。通常、毎年1月に公開されるので、今年行けない方は多分来年もチャンスがあると思います。
また、東京国立博物館自体、他の展示も盛りだくさん。
夜着・小袖・能衣装などの着物、アイヌの文化、根付、刀剣、鎧兜、浮世絵、掛け軸、仏像。
平成館には埴輪や土器もあります。土偶の姿が本当に謎で面白くて私は必ず平成館にも行きます。常設展だけで十分楽しめますのでぜひ。