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【書評】嘘つき中国共産党 辣椒(ラージャオ)著 亡命中国人による共産党の真実。彼の勇気を尊敬。

”マンガで読む 嘘つき中国共産党”。作者は、中国で風刺漫画を描いていたが、身の危険を感じて現在は日本に住む。言論・表現の自由と民主政治を求め、共産党支配を揶揄している彼の漫画が当局に睨まれたからだ。

中国共産党の真実を暴くシリアスな内容である。

しかし、当局に何度も拘束された時、“友人からのアドバイスを実行し、解放された驚きの方法”など、全体的に明るくさらっと描いているので読後感は悪くない。

では、内容からいくつか紹介しよう。

反日教育はどのようなものなのか

共産党一党支配を存続させながら、開放路線をとった中国が、貧富の差などの国民の不満が共産党一党支配に向かうのを避けるため、格好のターゲットとしたのが日本だった。

その反日教育は、日本人の私が漠然と思っていた、「学校で子供の頃に歴史の授業で習う」といった簡単なものではない。

子どもの頃から歴史以外のものでも手を変え品を変えて行われ、大人になってからもテレビドラマや映画で反日ドラマ・映画を見続ける。

外からの情報が遮断されているため、貧しい情報弱者はそれをまともに信じることになるのだ。

情報の遮断とはどのように行われているのか

中国では「天安門事件」など、共産党にとって都合の悪いものは閲覧できないようになっている。まさに中国の周囲には、情報のThe Great Wallがあるのだ。

Facebook、Twitterなどは禁止され、それに代わるサービスを使っている。そしてそれらのサービスはもちろん、ネットでの発信は当局の監視下にある。

中国は法治国家ではないのか

憲法に選挙の規定があるものの、共産党推薦以外の候補者には徹底的な弾圧を行い、立候補を止めさせた過去がある。

また、著者の漫画をリツイートしただけで10日間も拘束される人がでたなど(これで著者は日本に留まることを決めた。)警察は法律の規定なしに国民の拘束が出来る。

まとめ

上記以外にも、台湾との関係、抗日映画に出演する日本人俳優、共産党員の腐敗、中国の紅白歌合戦の裏側などが描かれていてどれも興味深い。

日中関係について考えた時、中国には思った以上に色々な問題が複雑に絡み合って存在することがわかる。そして、そんな国の隣に位置する日本の外交の舵取りの難しさを痛感する。

今日本にいる私達が当然のように手にしている言論・表現の自由、民主政治、法治国家。その有難さがわかる。

そういった権利のない中国ではどんなことが起こっているかという、日本のテレビやネットのニュースでは語られない事実を知ろう。

私は中国人の友人もいるが、香港出身だったり欧米の大学を出るなど、外の世界を知っている方たち。反日を感じたことは一度もない。

私と付き合うにあたって、彼らが”日本”と”日本人”は別、と考えているのか、あるいは反日教育の裏側を知っているのかはわからない。

あくまでも私の考えは、”中国人”と”中国という国”とは別である、ということをここに強調しておきたい。

こういった内容は残酷な描写や堅い文章の本が多いため、興味はあっても敬遠していた、という人におすすめ。

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