社会派ブロガーちきりんさんの「自分のアタマで考えよう」「マーケット感覚を身に付けよう」に続く第三弾。
ちきりんさん自身がそのブログで述べている通り、「これからの世の中を生き抜くために必要となる、もっとも大事な能力」を一つずつ説明しているシリーズです。
今回は、「生産性を上げる」ことについて、徹頭徹尾、わかりやすく、いろいろな視点から例を挙げて説明しています。
「日本におけるホワイトカラーの生産性」については、長らく「低い」と言われていますが、それを言われても今一つ実感がわかないのではないでしょうか。
この本では、「生産性が低いとはどういうことか」「それを改善するにはどうすればよいのか」を、仕事だけにとどまらず、家事・育児についても、とりあげています。
例えば、生産性を上げると残業代が減るから収入か減ると考えている人、小さい子供がいて時短で働いているが家事と育児と仕事で手一杯な人。
昇進したばかりのマネージャー、共働きの時短の女性、起業家の社長、といった人達を登場させて、それぞれの立場で語らせているのも面白い。
読者の仕事、家庭、そして何より最終的には「人生」をどうするのかを、ちきりんさん独特の「生産性」という切り口で考えさせる内容。
究極、限られた時間とお金を使っていかに人生をコントロールするか(だから人生をどうしたいか、あなたにとって何が大切なのかがわからないと始まらない)についてのベースとなる考え方がわかります。
ちなみに、「例えば赤ちゃんが泣いている時、赤ちゃんは何が欲しいか、どうしたいか、明確にわかってます。」とちきりんさんは本の中で述べています。
大人になるにつれ、私達は「どうしたいか。」ではなく、「どうするべきか。」を、しかも自分で考えたものではなく、往々にして世間一般で言われていることを基準に考えて、人生を送っています。この機会に考えるのもいいですね。
シリーズ本、前二作同様、何度も読み返したくなる一冊。時代が違うとはいえ、20年前に読みたかったな~。おすすめ。
紙の本は11/26発売ですが、予約できます。
また、ちきりんさんのブログは、たまたま偶然に見つけた時、過去まで全部むさぼり読んだくらい面白かったので、(実は本よりも)おすすめです。