まず、「最初に断わっておくが、この本は不愉快な本だ。」で始まるこの本。「言ってはいけない」という題名からして好奇心をかきたてられる。
この本の中身を一言で表すなら「“氏より育ち”“外見より中身が大切”を否定した内容」と言えるかもしれない。
しかし、こんな風に簡単に表してしまうと誤解を招きかねないので、興味のある人は、ぜひ関連データと合わせて本書を。
氏より育ち?努力は遺伝に勝るか?
私達の社会では、人は平等に生まれ、しかし育て方や環境によって違う大人に育つことを前提として出来ている。
であるから、貧しい家庭の子供には教育をして貧困の連鎖が起きないようにしようとする。
親が依存症・精神病・犯罪者だからといって、子どもに(まだ何もしていない時から)国家が制限をかけることはない。
しかし、統計からはどうか?
外見より中身が重要?
人は、外見よりも中身が重要なのは当然だ、と皆同意するだろう。しかし、統計からはどうか?
実は、外見により最も不利なのは、若い女性ではなくて・・・。
まとめ
統計はアメリカのものなので、上には紹介しなかったが、人種についての考察も書かれている。
こじつけだと思う向きもあるかも知れない。しかし、もしも、誰もが認めたくない倫理的な理由で、正しくない考えをベースに国家のシステムが作られていて、そこに多額の予算が投入されていたとしたら?
人が、生まれた時から不平等だということは、誰もが知っている事実。そこに光をあてた本書。
人権を守り、差別をなくし、そして貧富の差をなくすことが簡単ではないことがよく分かる。