Zuitt Coding Bootcamp(フィリピンのOnlineプログラミングスクール)に必要な英語力は?

Zuitt Coding Bootcamp(フィリピンのオンライン・プログラミングスクール)を修了しました。わたしはグローバルコースの第一期生。グローバルコースは英語で行われ、世界から参加できます。

参加に必要な英語力は?

Zuittの授業は英語で行われます。では、どの程度の英語力が必要でしょうか?

おおざっぱですが、英語中級レベルあれば大丈夫かと。わたしが想像してたより英語のハードルは低かったです。

しかし!英語の①読み②書き③聞く④話す 以上にかな~り重要なスキルが……

「英文タイプ」!わたしが「あぁ、若い頃に習得しておいてよかった!」と思ったスキルです。

順番にお伝えしますね。

英文タイプ

Zuittの授業を受けるにあたり、英語関連で何よりも一番重要なのが、英文タイプです。速く・正確に、タイピングできないと授業についていけません。

「アルファベットを速くタイピングする」ではなく「英文タイプ」です。英語の単語のスペルを一文字ずつ確認することなくタイピングするスキルです。

具体的に説明します。

授業ではプログラミングコードとNotesを写す

Zuittの授業には、テキストはありません。授業では、先生がコードやNotes(説明のメモ)を書いていき、それを生徒は写すことですすんでいきます。

また、activity(復習テストのようなもの)のときやexam(実力テストみたいなもの)のときも、タイピングが遅いと時間内にコードを書けません。

また、チャットにささっと先生への質問や、先生からの質問への答えを書く場面もあります。

アルファベットの国の参加者は英文タイプが速い

参加者の大半が日本人ならいいのですが。
この講座が英語という性質上、アルファベットの国の参加者が多いと思われます。実際、わたしのクラスはセネガル人・フランス人・アメリカ人とわたし。

アルファベットの国の参加者は、英文タイプがとても速いです。先生は、全員終わるまで待ってくれることがほとんどですが(待ってください、と先生に声をかけたら、終わったら忘れずに知らせましょう)、まれに、あまりに遅れると、そのまま次の説明にはいります。(説明中か、休憩時間に追いつきます)

先生もタイピングが速い

先生は、フィリピン人。エンジニアで英語コードを速くたくさん書いていますし、フィリピンのタガログ語もアルファベット。公用語の英語で教育を受けているのもあり、先生もタイピングが非常に速いです。


テキストエディターにコードとともに説明のメモ(Notesといいます)を書いてくれるときなど、テキストエディターのショートカットも駆使してるので、めちゃめちゃ速い。いつも誰かが「まだタイピング中。ちょっと待って」とお願いしていました。

英文タイプの速さの目安は65ワード/分くらい

では、どれくらいの速さなら授業についていけるのか?
ご参考までに、わたしの英文タイプは約65ワード/分。65文字ではありません、65ワードです。英語ネイティブだと80ワード以上のかたもいます。65ワード/分で、なんとかついていけるレベルでした。

練習期間

あくまでも目安ですが。英文タイプの習得がまだのひとは、どれくらい練習すればよいのか?


現在、日本語をブラインドタッチ・アルファベット入力でまぁまぁの速さのかた。英文タイプ練習用ソフトで、一日1時間、2ケ月くらいの練習で60ワード以上にいくのではないかと思います。

速くて正確な英文タイプは、エンジニアとしても必須のスキル。考える必要はなく、手を動かして練習するだけですので、遅いひとは、このさい習得してしまいましょう。まとめて週末にではなく、「毎日」練習するのがコツです。

英語を読む(リーディング)

英語を読む、リーディングのレベルはどの程度必要でしょうか?

中級レベルかな。単語や表現は、TOEICレベルでOKだと思います。専門用語(technical term)は、授業中、ブラウザにネット辞書(英辞郎)のタブを出しておき、適宜調べて覚えましょう。

なお、わたしは常時2つのタブを出しておき、意味を調べるときは英辞郎、発音を調べるときはオックスフォード辞書を使っていました。

では、どんな場面で英語のリーディングが必要でしょうか?

選抜テスト(アセスメント)で設問を読む

別記事で書いたように、Zuittでは入学前に選抜テストがあります。このアセスメントで、英語の設問を読んで解答します。アセスメントではネット検索は禁止されていますので、中級レベルの単語を知っている必要があります。

Zuittは、大卒の社会人をターゲットにしていますので、大学受験レベル・TOEICレベルの英単語でOK。

大卒と書きましたが、TOEFLのようなアカデミックな単語は知らなくても、また、選抜テストはプログラミングテストではありませんのでITの専門用語も知らなくてOKです。

わたしもTOEFLレベルの単語は知りません。専門用語も授業が始まってから覚えていきました。知ってるにこしたことはないでしょうが、知らなくてもテスト・授業は理解できます。

入学手続きで契約書を読む

入学手続きで、英語で書かれた契約書にサインします。契約書は何枚もありますが、手続きの時間は2時間あり、わからない単語はネット辞書で調べながら読んで理解すればOK。

わたしは仕事でたまに英語の契約書も読んでいましたが、Zuittの入学手続きにある契約書の表現は、読みやすかったです。

入学手続きの時間は2時間とってあり、内容には「修了の条件」なども含まれますのでちゃんと読みましょう。わたしはかなり一生懸命急いで読んで、1時間15分ほどで読み終わりました。

ソフトインストールでマニュアルを読む

入学手続きが終わったら、授業に必要なソフトウェアをインストールします。Zuittからインストールのマニュアルが送られてきますので、それを見ながらインストールします。マニュアルは英語ですので、それを読む必要があります。

わからなければ辞書をひけばいいですし、マニュアルはスクリーンショットが貼ってあり、難しくはないと思います。

インストールのマニュアルまで作って送ってくれるなんて親切!

授業でプレゼン資料を読む

授業では、特に新しい内容にはいったときに、先生がプレゼン資料を見せながらの説明があります。(なお、資料配布はありませんのでメモしながら見ましょう)

プレゼン資料ですので、長い文章ではありません。しかし専門用語が含まれています。ブラウザにネット辞書のタブを出しておき、調べながら見ましょう。

activity(復習テスト)exam(実力テスト)の設問を読む

授業で、activity(復習テスト)exam(実力テスト)の設問を読みます。中級レベルの読解力・単語力があれば問題ないと思います。

授業が始まると、ところどころでactivityという復習テスト(のようなもの)があります。

説明されたことを理解していればできるテストで、生徒を選抜したり振り落とすためのテストではありません。先生は設問を英語で書いていきますので、それを読んでコードを書きます。

わからない単語があれば、ネット辞書で調べます。設問自体の意味がわからなければ、先生にチャットで聞きます。

examは実力テスト(のようなもの)。こちらも設問を読む必要があります。

examでネット辞書を使ってよかったかどうかは忘れましたが、OKだったと思います。始まる前にネットでググってもよいか、先生に聞きましょう。

英語を書く(ライティング)

では、英語のライティングレベルは、どれくらい必要でしょうか?

メールとチャットが書ければOKです。論文のような長文を書く場面はありません。

メールが書ける

Zuittの事務局とのやりとりは、eメールです。

例えば、授業開始前に、必要なソフトのインストールがあり、わたしはそれについての質問をeメールで送りました。そのほかにも、キャリアアドバイザーとのやりとりでeメールを書きました。頻繁に書くわけではありませんが、eメールが書けるレベルの英語力は必要です。

eメールを書いたことがない、というかたは、本屋に行って、好みのeメールの本を一冊買ってきましょう。

なお、英語のeメールの書きかたは、国や会社によってかなり違う(日本も会社によってひな型が違いますよね)ので、細かいことは気にせずに、本を参考にして書けばOKです。

チャットが書ける

チャットは通常は、

先生の「みんな終わった?」の呼びかけに「done!」

「いま見せたアウトプットと同じ?」に「same」「no. i got an error. 」

「質問はない?」に「none」などと書き込みます。

これは誰でも書けると思いますが、以下のようなケースでも使います。

授業中、例えば練習問題(activityとよんでいます)で参加者が静かに問題を解いている時。

「設問の意味がわかりません。〇〇はこういう意味でしょうか?」とか、「△△まではできたのですが、次の〇〇でわからなくて止まってます」などと、マイクだと他の参加者の邪魔になるため、先生へのメッセージをチャットに書きます。

練習問題は落とすためのものではありませんので、「じゃあヒントをあげよう」などと先生から返ってくることも。チャットは全員から見えていますので全員へのヒントになります。

チャットが書けるだけの英語レベルが必要です。

週次評価を書く

毎週末に、自己評価と授業評価があります。基本は選択式。感想など書きたいことがあれば文章を書きますが、選択以外は必須ではありません。

作文はない

アメリカの大学では「エッセイ」という作文があるらしいですが、論文のような長文を書く場面はありません。書けなくても大丈夫です。わたしも英語でまとまった長い文章は書けません。

英語を聞く(リスニング)

では、英語のリスニング、英語を聞く力はどれくらい必要でしょうか?わたしが授業開始まえに一番気にしていた点です。

結論からいうと、Zuittの先生の英語はとてもわかりやすく、英語中級くらいのレベルで十分理解できると思います。それは以下のような理由です。

バイリンガルである

フィリピン人の先生は、バイリンガルです。

わたしはアメリカ人と仕事をしたことがあるのですが、ネイティブは言葉の選択や言い回しがわかりにくいです。彼らは基本的な動詞+前置詞の組み合わせ(例えば、take part in, put off, get rid ofなど)を好んで使いますが、聞くほうは、これらの熟語の意味を覚えていないと理解できません。知らない単語もよくでてきます。

母国語の日本語について考えるとわかりますが、たぶんネイティブには「難易度」がよくわからないから。また、イギリス英語もアメリカ英語も訛りがきつくて音もとらえにくいです。

しかし、バイリンガルの先生は、英語を「学習」して習得していますので、平易な表現を選んで話すことができます。さきほどの例ですと(participate in, postpone, eliminate)など、一語でスッと意味のわかる動詞を使いますし、名詞・形容詞も一般的な単語です。専門用語はあらたに調べて学習する必要はありますが、とても理解しやすい英語です。

英語が得意な先生が選ばれている

Zuittはすでに80期以上のコースをフィリピン人参加者を対象に実施しています。その授業はタガログ語と英語のミックスだそう。

わたしが参加したのはグローバルコースの第一期で、授業は英語で行われるため、15人いるインストラクターのなかから英語がうまい先生を選んだようです。

当初、わたしは先生や参加者の話す英語を字幕機能で出していました。「先生、フィリピンアクセントが少しあるな~」と思っていたのですが。

字幕を見たら、定冠詞・不定冠詞・前置詞・三人称単数のsなど全部、正確な文章となって現れました。

他方、わたしが質問したときの英語の字幕はぼろぼろで、ちゃんとした文章になっていません。

「大変失礼しました」

という気持ちになりました。先生は「国際語としての完璧な英語」を話します。

また、今回、生徒4人それぞれお国訛りありましたが、先生はとてもよく理解しています。正直、わたしは先生以外の参加者の英語はよくわからなかったのですが、先生は聞き返すこともほとんどありませんでした。ネイティブだと発音が間違ってると通じなかったりするんですよね……。

声がクリアで聞いていて疲れない

30分の休憩をはさむものの、毎日4時間、先生の英語を聞くことになったのですが。当初こそ最後のほうは意識がもうろうとしましたが、すぐに慣れました。

先生の説明は、時間が長くても、聞いていて疲れません。

グローバルコースはオンラインですが、そもそもコロナ前のフィリピン人向けコースでは実際の教室で授業をしていた先生たちです。fillerとよばれる「え~」「ちょっと」のような余計な言葉ははいらず、話し始めると文の最後まで話しきり、とても聞きやすいです。発声もクリアで、話すトレーニングをしていると思われます。

このプログラムに興味があるけれども英語がわかるか心配だったら。Info. sessionというオンライン説明会があります。そこではキャリアアドバイザーのかたが英語で説明します。キャリアアドバイザーのかたたちの英語も、流暢でわかりやすい。

説明会では専門用語はありません。オンライン説明会に参加してみて、説明会の英語がわかるかどうか?で、授業についていける英語力があるかどうかは判断できます。

わたしは前職でフィリピン人の同僚と仕事をしたことがあります。そのとき「そのひとの英語が聞きやすいかどうか?」はほんとうに人それぞれだったので、授業開始前は少し心配していました。

先生によっては多少フィリピンアクセントがあるかもしれませんが、発音が強い・短め という特徴ですので、すぐ慣れますし、ハッキリ聞こえます。余談ですが(たぶん)フィリピン訛りのチュをテュと発音 例えばActualをアクテュアルと発音するのは日本人には可愛く聞こえてニッコリしてしまう……。

英語を話す(スピーキング)

では、英語のスピーキング力はどれくらい必要でしょうか?こちらも単語力・表現力など中級くらいだと思います。実務で使ったことがない・英会話の先生や教材でのみ勉強してきた、というような場合には、「度胸」がつく良い機会です!

では、どのような場面で英語を話すことが求められるでしょうか?

自己紹介・卒業時の感想など

オンライン説明会のInfo. session。それから講座では計3人の先生が担当しましたので、それぞれ最初の授業で自己紹介がありました。4回自己紹介したことになります。

オンラインのライブではビデオは使わずに音声のみなので、先生や参加者から、わたしの姿は見えません。

体当たりしてもいいのでしょうが、わたしの頭はプログラミングだけでいっぱいいっぱい。疲れないよう、事前に準備したものを話しているように読み上げました(*’ω’*)

また、卒業式にも、感想を求められました。

わたしのように、エネルギーを節約したいひと(楽したいひと)は、事前準備しましょう。それではネタになりそうな経験ができないんじゃないかって!?

だいじょうぶ、ほかの場面で、ちゃんとピンチはやってきます!

授業中に質問をする

さきほどお伝えしたように、授業ではビデオを使いません。顔が見えないので、先生は「Clear?」「No questions?」をたくさん聞いてくれます。わかったらチャットに「clear」「okay」などと書き、わからなかったらマイクをオンにして質問します。

Zuittの授業ではテキストがありませんので、予習ができません。その場での説明を理解して、ついていく必要があります。わからないところがあったら必ずその場で質問して理解しましょう。

  1. 「〇〇のところがよくわからなかったのでもう一度お願いします」
  2. 「〇〇はこのように理解していますが、正しいですか?」
  3. 「〇〇が△△だと理解していたのですがなぜ○○ではないのでしょう?」

上記の1だと先生は同じ説明を繰り返すので、英語がわからない場合はいいですが、そうでない場合はいい質問の方法ではありません。2、3、のように出来るだけ具体的に質問するといい説明がきける可能性が高くなります。

先生の質問に答える

授業中に、質問される場合もあります。「〇行目のコードの意味について、だれか説明できる?」のように。質問されたらマイクをオンにして答えます。先生が生徒をあてる場合は少なく、マイクをオンにして早い者勝ち(?)で答えます。

こういうのは、わたしも含め日本人が苦手なパートですが、積極的に答えましょう。間違えてもOK。先生は優しいし、他の参加者は授業に集中しており他人のことをそんなに気にしていませんので、心配はいりません。

クラスメートと話し合う

今回、最後のサイト制作でペアになり、協力してそれぞれのサイトを作りました。その際、ペアになったクラスメートと話し合う場面があります。

わたしはアメリカ人とペアに。(ペアは先生が決めた)

初めに「あなたは英語のネイティブスピーカーですよね?速いとわからないので、ゆっくり話してもらえますか?」と伝えて配慮してもらいました。

ディベートのような議論はない

自己紹介・質問をする・答える くらいで、ディベートのように激しく議論しなければならない場面はありません。

英語中級ってどれくらい?

「英語中級くらいが必要」とお伝えしました。じゃあ中級ってどれくらいなの?

まさにわたし自身の英語レベルが中級~中上級くらいだと思いますので、ご参考までに。

わたしの英語は、日本人全体でみるとうまいほう、外資系社員にしては中くらいです。TOEICは925点、うちリスニング満点ですので点数からみると上級ですが、問題集をなんども解いてテクニックを研究してとった点数です。

TOEICのスピーキング・ライティングテストは、それぞれ140点/200点、180点/200点と、スピーキングがいまひとつ。スピーキングについては、オンライン英会話のレアジョブにスピーキングテストがあり、その結果はレベル7でやはり中級でした。

英語のドラマ・映画・TED、すべて日本語の字幕に100パーセント依存しています。

通訳・翻訳はできません。

ただし……外資系に長年勤めていて、英語で主張していたため(仕事では責任があるので意見を言う必要がある)会計分野で英語でのメール・チャット・会議・度胸があります。

英語が中級レベルであれば、仕事・留学の経験がなくても、実践できるいい機会だと思います。ただし、プログラミング自体に興味があること。そして、英文タイプは必ず事前に習得してくださいね!こればっかりは度胸では速くなりません。

以上、ご参考まで。

次回は、「Zuittで、やる気満々だったわたしが、コース途中で捨てたこと5つ」について書きます。

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