添削している職務経歴書で、私が一番注意して見るところは、自己PRです。
そして皆さん、日本人は謙虚が美徳とされているせいか、難しいと感じているよう。
しかし自己PRは、職務経歴書だけでなく、面接で鉄板の質問でもありますから軽視できません。
自己PRの作り方について、お伝えします。
自分の長所は自分では「普通」だと思っていること
自己PRのベースになるのは、その人の長所です。
私の職務経歴書の添削では、その方がご自分の長所に気づいていないようなら、私がご経歴から考えた「自己PR」の提案をしています。
(もちろん、ご自分にしっくりきた場合のみ、採用していただくものです)
実は、私が考えた「自己PR」の提案に対するクライアントさんの反応は、ほぼ同じ。
「それって、普通ですよね?」
という答えです。
得意なこと・好きなことは、当然やるべきだと思ってやっているので、本人にとってはそれが長所だとはわかりません。
自分の長所は自分では「普通」だと思っていることなんです。
自分の長所を知るには?
さて、それでは、「自分の長所」ってどうやったらわかるでしょうか?
それはやはり、自分ではわからなければ「他人に聞く」こと。
同僚に聞く
一番いいのが、同僚に聞くこと。
キャリアの見直しや、転職活動の目的だったら、やはり、会社の同僚に聞くのがいいでしょう。
いきなり聞くと、転職活動を疑われますので、プライベートで参加するセミナーで必要、などと理由をつけましょう。
その時の注意点ですが、例えば「責任感が強くて最後まで粘り強くあきらめないところ」だと言われたとします。そうしたら、それに加えて「どんな仕事の場面でそれを感じたか」も聞きましょう。
家族・友人に聞く
同僚に自分の長所を聞くのはちょっとはばかられるとか、それほど仲の良い同僚がいない場合。
その場合は、家族や友人に聞きましょう。
そしてその後、自分の経歴を眺め、その長所を活かして遂行したと思われるエピソードを探しましょう。
私はどうやってクライアントさんの長所を見つけるか
ちなみに、私がクライアントさんに「これは〇〇さんの長所ではないですか?」をどうやって見つけているか。
それは、次の項目にもつながるのですが、職務経歴書の中の、特に経歴を見て考えています。誰でもその人の長所を利用して仕事をしているため、見ていると浮かんできます。
長所は経歴の裏付けのあるものにする
さて、上記で、同僚に聞いたり、自分で考えたりして、自分の長所と、それを活かしたエピソードを把握すると書きました。
長所だけではダメで、それを活かしたエピソードが必要な理由。それは、転職活動に使う「自分の長所」は、「経歴の裏付けのあるものを伝える」というのが鉄則だから。
初めて会った面接官に、候補者が「私の長所はこういうところです」とそれだけを言っても、信用してもらえません。
そこで、職務経歴書の経歴にある実際のエピソードを交えて書く・話す。そうすると面接官が活き活きと想像することができ、納得して印象に残ることになるのです。
「責任感が強くて最後まで粘り強くあきらめないところ」とだけ伝えるのと、
例えば、経歴に書いてある
「〇〇というプロジェクトで〇ヶ月間、稼働までリーダーとして責任を果たした」とか
「新人の指導を任されてその新人が1年で〇〇できるまで成長した」
といったエピソードを絡めて伝えるのとでは、説得力が全然違いますよね。
長所をベースに自己PRを作る
ここまでは、「長所」について書いてきました。
最初にお伝えしたように、「長所」が「自己PR」のベース。では、ここからどのように「自己PR」をつくればいいのか。
ここで改めて、何のための「自己PR」なのかを考えてみましょう。
目的は、「求人をだしている企業で採用されること」です。
長所とそれをあらわすエピソードを複数準備したとして、ここで改めて求人の内容をよく読みます。そして、求められている人物をイメージし、それに合う長所+エピソードを選びましょう。
そして、「あなたの長所と、その長所を活かしたエピソード(実績)がある」
その上で、今回求人がでているポジションで、それだからあなたがどんな大きな貢献が出来るのか?を伝える。
それが自己PRになります。
つまり、「自己PRの内容は、求人によって変わる」ということ。
職務経歴書は、一度作ったらそれをコピーしてどんどん応募すればよいのではないんです。
もちろん、専門職だと求人の内容が似かよったものになるかもしれません。その場合でも、毎回、応募先の求人をよく見て調整しましょう。
まとめ
では、長所をベースにした自己PRを作成する方法をまとめます。
- 自分の長所は自分ではわかりにくい。だから他人に聞いたほうがいいこと。
- 長所は、経歴の裏付けのあるものを選ぶこと。
- 自己PRは長所に経歴に書いてあるエピソードをからめて作ること。
- 自己PRは求人の内容に合わせて変え、長所+経歴に「どんな貢献ができるか」をいれること。
私も知らなかった自分の長所
実は私も、自分の長所というか、印象はわかりませんでした。
2社目を退職する時のこと。その部署では、絵の上手な同僚が、退職者に似顔絵のイラストを描いてくれるのが習わし。その人の性格に合わせたコスチュームを着たイラストをプレゼントしてくれるのです。
他の退職者の時に、毎回「なるほど!」と思っていたのでひそかに楽しみにしていました。そして私がいただいたイラストは、何と甲冑を着たジャンヌ・ダルク。
聞いたら「正義感・責任感が強いから」
おそらく私は上司に思ったことをどんどん言っていたからではないかと推測。でも、そんな印象があるとは思ってもみませんでした。
やはり、自分の長所がわからなければ「他人に、エピソードとともに聞く」のが良さそうです。