日本人の暮らしのこれまでとこれからをテーマに、作家のお二人が本をそれぞれ5~10冊選んで語り合うもの。私の本好きを知ってか、友人のNさんが誘ってくれた。
朝日新聞社が、読書の秋ということで、毎年本にちなんだイベントをしていて、この内容は、10/27の朝刊に掲載予定だそう。
平松氏、佐々木氏が、それぞれ、キッチンや食べ物、服、家などについての戦前から今現在までの本を選び、その内容について対談するという面白い企画。
私達にも本のリストが配られました。私の読んだことのある本も1冊ずつだけですが含まれていて、どのようなコメントをされるのか興味しんしん。(リストの写真は一番下に。)
平松氏が9冊、佐々木氏が7冊挙げていて、「ジョコビッチの生まれ変わる食事」や、
地曳いく子さんの「服を買うなら、捨てなさい」
などの最近のベストセラーも。
いくつか紹介したい。
再度であるが、この対談は、「暮らしのこれまでとこれから」がテーマ。
経済右肩上がりから下り坂へ向かう今。これについては、嵐山光三郎さんの「「下り坂」繁盛記」。
題名からして面白い。これ、下り坂というとネガティブな響きがあるが、必死に自転車をこいで頂上目指して登って来たのが、さぁっと坂道を両足離して自転車で風を切って降りていくのもそれはそれで気持ちいい、というお話らしい。
とにかく「成長や増加がいい」という私達の固定観念に風穴があく。
次。戦後、どんどん物が増えてプラスされてきたが、シンプルライフ、なんて言われているとおりこれからはマイナスへ。
これについては、米沢亜依さんの「イタリア料理の本」。
今まで、料理研究家の本というのは、普通のものに何かプラスしたものだったが、これはイタリアの郷土料理をマイナスというよりは、そぎ落として磨いていって残った料理の紹介という点で異色。
写真もとっても地味。(ちなみに、食べ物好きの私は早速この本注文しました。”つくってみたら美味しい”評価がたくさんあった。)
対談は2時間以上続き、お二人ともさすが文筆家だけあって、言葉を選びながら丁寧にお話されるのが印象に残った。
最後に、今回のイベントのそもそもの趣旨、「読書の秋」。お二人はどのように読む本を選ぶのか?
平松氏は、リアル書店で。一冊の本には多数の職人の手がかかっているので、それを本を手に取って感じるそう。
そして本からインスピレーションを得て、別の本を読むことになったりする。本が本を呼ぶわけ。
また、読み方についても教えてくださった。
読んだ本から二つでも三つでも得たものをつかみとって自分に取り込むこと。
そして、自分は成長して変化しているので、再読してまた新たな発見をすること。
最近は本の読み方についての本もいろいろ出ているので参考にすること。平松氏も、「野蛮な読書」という著作がある。
佐々木氏は、「本から人から」本を選んでいるそうで、本の中で言及された本や巻末の参考図書、ブログの書評などから。
私は佐々木氏のように本を選び、平松氏のように読んでいる。(ただし得るものをつかみとって自分に取り込むのはこれから意識したい。)
選び方、読み方、いろいろあるが、間違ってはいない、と少し嬉しくなった。
そうそう、朝日新聞社の方から、「日曜日の書籍紹介もぜひ参考にしてください」とありました。そうでした、主催は朝日新聞社さんでした!
では、最後に本のリストをご紹介。また、ご興味のあるかたは、10/27の朝日新聞朝刊をお読みください。