トップダウンでなければ残業削減は難しい。給与減っていいから調整したいと言って“却下”されたが後日“奨励”されたこと。

大波のある仕事

以前の仕事は時期によって波があり、例えば1月前半や9月は土日も出勤するほどだが3月は有給休暇消化にあてたいほどかなり暇・・・という感じだった。

制度は出来ていた

会社としてはワークライフバランスの見地から残業調整に動いており、早退した時間を残業と相殺する制度があった。それは月内での業務の波の消化を考えてか二ヶ月以内に相殺出来ない時は給料を減らして調整するようになっていた。

閑散期に早退の申し出

「生活残業」という言葉があるが、私は生活費のための残業は一切したことがない。

忙しい担当だったこともあり、「基本給が減っていいので、閑散期に夕方早退して調整したい。会社のコスト的にもメリットがある。仕事内容は2人以上か把握しており社内の急な問い合わせにも困らない。もちろん関係者には連絡する。」と申し出た。

まさかの却下

上司からは「社内から問い合わせが来るからフルタイムで席にいる必要がある」とあっさり却下された。確かに当時はどこの部署も残業が普通で、21時過ぎに他部署から電話がかかってきてその日に依頼を仕上げることもあった。

その後の展開 「却下」→「奨励」→「強制」

その後、しばらくして、私の申し出は「奨励」というより「強制」されるようになった。月の残業時間の割当てを越えると、月末に休むか早退をして調整しなければならなくなったのである。

もちろん私だけでなく全員だ。月末の夕方には管理職しかいない時もあるほど。

これは、名目はワークライフバランスと一緒に語られていたが、コスト削減のため、トップダウンで残業削減命令がきたためである。

どこに根があったのか

1 いつでも誰でも対応出来るのがいい。

これは、定期的に担当替えを行って担当者が休暇中も対応できるようにしたり、忙しい人を手伝ったりする日本的な良さの悪い面。これがあるため、短縮勤務の社員の肩身が狭くなり、代わりを務める残りのスタッフは疲弊する。

また、管理職の思いつきや急な変更で、計画外の残業か頻繁に発生する。

担当者がいないと、管理職が他部署から責められる。

(勿論、時には本当に急な対応が必要な場合もある。また、命にかかわる仕事は別。)

2 管理職自らコスト削減は言い出さない。

いずれトップから人件費削減を業務命令として言われるので、自らは言い出さない。むしろ、今現在の長時間の残業は、「仕事をしている」アピールになる。

しかし、「サラリーマンなら当然」という意見が聞こえてきそう。

3 残業減の目的は漠然とした「ワークライフバランス」なのか「コスト削減」なのか。

実のところ、一般的に企業は「ワークライフバランスがいい 」会社である、というよりも(いわゆるブラック企業は別にして)「利益の多い会社」が優先される。

制度を作っても、差し迫った理由と数値目標がなければ実行は難しかったのだろう。「評価されなければ漠然とした目標は実行しない」のは会社員の性かもしれない。

その後・・

最終的には、早退が奨励されるようになって嬉しかったのだが、残業減奨励はこの後行き過ぎてしまうことになる。これについてはまた別途。

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