同僚の田中さんが必死に佐藤さんに担当業務の引き継ぎをしています。でも、佐藤さんは今、キャリアアップのために、こっそり転職活動しています。
熱心・丁寧に佐藤さんに引き継ぎをしてくれている田中さんは、もしも佐藤さんが会社を辞めたら、傷ついてしまうでしょう。
佐藤さんが辞めたら、その仕事は、次の人が入社するまでまた田中さんに戻っていきます。そして再度、田中さんが新しい担当者に引継ぎをするだろうからです。
田中さんの心を傷つけずに佐藤さんは会社を辞めることができるのでしょうか。
「それを思うと会社を辞められない」
佐藤さんの転職活動にブレーキがかかってしまいそうです。
まずは自分のキャリアと仕事。自分を優先する
佐藤さんの気持ち、よくわかります。けれどもここはあえて自分のキャリアと仕事を優先しましょう。
仕事は一生続くものです。1日のほとんどの時間と労力を当てています。そこを優先事項にしても誰が責められるでしょう。
そして、同僚の田中さんのために、佐藤さんが転職を躊躇して仕事に堪えていても、そこで佐藤さんが身を削っていることに田中さんが気がつかない可能性の方が高いです。
逆に、田中さんのほうが、引継ぎが終ったとたんに転職する可能性だってあるのです。
まずは自分のキャリアと仕事を優先しましょう。
プライベートジェットがほしいわけでも、世界各国に別荘がほしいわけでもない。
ただ、自分の人生のほとんどの時間と労力を投入する、仕事を選びたいだけ。
ぜいたくを言っているのではない、人として当然の優先順位です。
「自己犠牲」は続けることができない
同僚の心を傷つけたくないという理由で転職活動を躊躇するのは、ある意味自己犠牲です。
自己犠牲は、一時的にはすることができるかもしれません。しかし、それをやり続ける事は難しいです。むしろ、田中さんを思いやるどころか、佐藤さん自身が病気になってしまうかもしれません。
あなたは、マザーテレサではありません。
ですから、自己犠牲で身を削る前に、まずは自分のキャリアを優先しましょう。
なお、マザーテレサは、私たちから見ると自己犠牲をしていたように見えますが、それが自己犠牲であったとしたならば彼女はあんなに長期間、働くことはできなかったでしょう。
マザーテレサは貧しい人のために働くのが好きでした。彼女はそれによってエネルギーを得ていたのです。
他方、エネルギーを奪われて身を削る自己犠牲は、自分をむしばんでいき、続けることはできません。
身を削るのは、自分に合った転職先を確保してから
佐藤さんは、まずは転職先を確保することが大切だと述べました。
しかし、田中さんをないがしろにしなさい、というわけではありません。
まずは自分の仕事を確保してから、そこから同僚の心の傷を癒すことに注力すれば良いのです。
そこで身を削るのです。日々の仕事で我慢することではなく、仕事を確保してから、それによって心を傷ついたかもしれない田中さんの心を癒すために全力投球するのです。
さて、どんな方法があるでしょうか?
同僚の心を癒す方法
自分の退職が公式に発表になる前に田中さんに教える
従業員の退職の発表は、通常は管理職から公式に行います。上司から、「公式な発表まで言わないで」と言われることも多いです。
代わりの募集はするのか、募集しなかったらどのような分担になるのか、などと現場が混乱するから。
しかし、親しい同僚である田中さんには、当日でいいので発表前にこっそりと伝えておきましょう。いきなり上司からの発表で知るよりも、ショックは小さくてすみます。
丁寧な引き継ぎ書を作る
田中さんがしてくれたよりもさらに引継ぎが簡単になるような引き継ぎ書を作りましょう。
退職の発表前から、自分がいなくても仕事が出来るような資料を作りはじめておきましょう。
具体的には、年間スケジュールや月間スケジュール、プロセスチャート、IT関連のオペレーションはスクリーンショットを撮ってマニュアルを作るなど。
仕事内容にもよりますが、ルーティン業務がある場合は、スケジュールの項目にリンクを貼って、そこをクリックするとマニュアルにとぶようにすると便利です。
転職活動の大変さを伝える
佐藤さんは、いかに自分の転職活動が過酷で大変だったか、田中さんに伝えます。
「そんなに大変だったら、どうしようもなかったかも。そして、それをのり越えてでも転職したかったのだ」と理解がすすむかもしれません。
最終日にはプレゼント
そして、最終日には、ご迷惑をかけたと言うことで田中さんには特別にプレゼントをあげましょう。趣味がよくわからない人には、消えもの(スイーツなどの食べ物・飲み物)が良いでしょう。
まとめ 身を削る場所を間違えてはいけない
自分のキャリアや仕事は最優先にします。やりたくない仕事に我慢をすることで、人を幸せにはできません。
会社を退職するときには、多かれ少なかれ人には迷惑をかけるのです。
まずは自分を幸せにしてから。それから自分の退職によって迷惑をかける人を癒す作業に注力しましょう。
もちろん、上にあげた全てをする必要はありません。その程度はあなたが決めることです。
ふくの一言
ちなみに、私はある会社を辞めるときには、「丁寧な引き継ぎ書を作る」に注力しました。引き継ぎ書を必死に作ったせいで、退職後しばらく寝込んだほどです。
といっても、退職や異動のたびに完璧にできたわけではありません。
別の会社を辞めたときには、劣悪な環境から逃げ出すのに精一杯で、丁寧な引継ぎができませんでした。大した仕事はしていませんでしたが、後悔が残ります。
逆に、私が同僚を転職で見送った時はというと、引継ぎの程度も人それぞれでした。そして、きちんとして辞めていった方はもちろん好印象です。
「飛ぶ鳥跡を濁さず」
ことわざにもある通り、同僚には出来る限り配慮しましょう。しかしそれは、自分のキャリアと仕事を優先した、その後です。
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