初めての海外出張。準備はしっかりとできてますか?
私は、日本企業から転職し、外資系企業に20年以上務め、ドイツ赴任1年の経験があります。
そんな私ですが、初めての海外出張は最悪の失敗でした。今でも思い出したくありません……。
その原因はオフタイムの日常会話。準備していたおかげで仕事上の英会話はなんとかなるんですが、仕事の休憩時間、懇親会で話題が出ない。
結果、上手くコミュニケーションできないまま悔しい思いをしました。
英語が辛いのは休憩時間や食事の時の懇談
仕事の英語は何とかなる
仕事の英語は、「目標とする成果」があるので、自然、「言いたいこと」が頭の中に日本語で明確にあります。
それを頑張って英語にするのは「大変」で「疲れる」作業ではありますが、少なくとも「海外出張に行ってくれ」と選ばれた人の英語レベル。必死になれば何とかなります。
休憩と食事の時間が辛い
しかし、休憩時間。
私の初めての海外出張は新しく導入されるシステムの説明会でした。
大抵の大きなワークショップでは、部屋のコーナーに懇談スペースが設けられています。そこでの目的は、ずばり「会話を楽しむ」こと。
軽食をつまみ、コーヒーを飲みながら歓談するのですが、「会話を楽しむ」って……?話しかけようにも何を話していいのかわかりません。
当然、最初の休憩時間、自分から話しかけられずに「壁の花」状態になりました。
皆が楽しそうに歓談している中、ひとりぽつんとしているのは辛いです。帰りたいくらい。
そして食事の時間も同じく辛い。
仕事がら外資系で働く日本人と話す機会がありますが、みなさん私と同じような失敗をしているようです。
「休憩と食事の時間が辛いんだよ」と言っていました。
付け焼刃で出来る懇談の英語への対策は、「日常会話のトピック」の準備
さて、ではその「休憩と食事などの懇談の時間」を乗り切るにはどうしたらいいのでしょうか?
実は、「日常会話のトピック」の準備をしていくことで、気分的にもそして仕事にも好影響を与え、大きく差がつくのです。しかも日本で30分程度、あとは行きの飛行機内で出来るので「付け焼刃で」大丈夫です。
では、「日常会話のトピック」の準備とは、具体的に何でしょうか?
それは2つあります。
- 会話を助ける写真を撮っておく
- 日常会話のトピックのフレーズを考えて準備しておく
1 会話を助ける写真を撮っておく
会話を大きく助けてくれるのが、写真です!詳しく話さなくても、見ればわかりますからね。
例えば、
家族やペットの写真は、出張のためにわざわざ撮らなくてもスマホに入っているかも知れませんが、オフィスの写真やオフィス周辺の写真は、あまり撮っていない場合が多いです。
外国人は、「あなたがどんなところで働いているか」に興味があります。例えば、私の知っているドイツのオフィスは1人~3人の個室で、フロアを広々使っている日本とは違う。
出張前に、写真を撮ってスマホなどに入れておきましょう。
2 日常会話のトピックのフレーズを考えて準備しておく
2つめは、懇談の時に話す「日常会話のトピック」を事前に考えて準備しておくことです。
「日常会話のトピック」とは「当たり障りのない話題」です。こう言ってしまうと身も蓋もありませんが、相手にめちゃくちゃ興味がある訳ではない場合でも、日本語だったら「適当な会話」が出来ます。しかし、英語だとなかなか質問が浮かんできません。
そこで、「日常会話のトピック」のフレーズとデータを準備しておくのです。
いくつか例をあげますね。行く時の飛行機の中でいいので、これを見て、先方と会った時のことをイメージし、フレーズを組み立てて準備しておきます。
【参考トピック】
それから、仕事関係の話題。ワークショップの休憩時間に、そのワークショップのディスカッションを続けるのは無粋かも知れませんが、「仕事の話題は絶対にダメ」というわけでもないと思います。
仲良くなったと感じたら、もう少し踏み込んだ話題でもいいでしょう。
少しの準備で楽に。そして、完璧を求めない。
「どこから来たのですか?」
「日本からここまで、飛行機でどれくらいかかりましたか?」
「時差は何時間ですか?時差ボケ大変ですね。」
「東京の広さは?人口はどれくらい?」
「ずっとこの会社にお勤めですか?」
「去年でたニューモデルの日本での売れ行きは?どの商品が人気ですか?」
休憩時間、ぽつんと一人になっていた私に、話しかけてきてくれた人がいました。
質問されて、答えて、「ではあなたは?」と聞いて、それ以降は、自分が聞かれたことを全部真似して他の人達に話しかけて何とか切り抜けました。
とはいえ、日本の国土の広さ(ドイツより少し大きいくらい)、東京の人口、人気商品の分布など、準備してこなかったため答えられなくて焦ったものもあります。
海外出張が決まったら、オフィスや同僚と写真を撮ってスマホにおさめておきましょう。そして、飛行機の中でいいので、当たり障りのない会話をイメージしてフレーズの練習をしておきましょう。それだけで、かなり楽になるはずです。
そして、英語が堪能な人全部が、雄弁で話がうまいわけではありません。中には無口な人もいます。うまく話せなくても気にせずに、トライしてみることが大事だと割り切りましょう。
懇談の英語が大切なわけ
海外とやり取りをする仕事をする人と話すと「ここ10年で、海外出張の数がかなり減った」と聞きます。それは、ITの改善で、テレコ(telephone conference)の性能が上がったから。
自分のPCの前でヘッドセットを着ければ、世界各国から参加でき、資料の共有も簡単になりました。移動にかかる飛行機代、宿泊費のコストがいらなくなったのです。
そんな中での海外出張はリアルで先方と会える貴重な機会。一緒に会話を楽しみながら飲食すると、距離が縮まるのは世界共通です。直接会った人との仕事は楽しいですし、依頼も断りにくい。
海外出張は、貴重な「相手と仲良くなる数少ないチャンス」 。
最初に「準備で大きく差が付く」と強調したのは、「懇談の時間」の会話は、その後の仕事に大きく影響するからなんです。
まとめ
初めての海外出張。
仕事の英語は、残念ながら、一朝一夕でうまくはなりません。むしろ、現地での経験が成長につながります。
しかし「日常会話のトピック」の準備は、短時間で済むことにもかかわらず、あなたを大きく助けてくれるでしょう。
初めての海外出張の際、「日常会話のトピック」の準備をすることをおすすめします。
この記事を読んでいる方は、こんな記事も読んでいます。
Photo via Visualhunt.com