【書評】ステーキを下町で 平松洋子著 読むだけで満腹。地元名産の料理の数々。

先日、著者の対談を見に行った。その時受けた平松氏の知的でおしゃれな印象と、この本とはずいぶん違う。

著者はかなりの健啖家。そして、気取らない、地域に根差した料理にとても興味かあり、都内(著者は東京の西荻窪に住んでいる)だけでなく北海道、青森、京都などに出掛けて行く。

ここで取り上げられた料理は、むしろがっしりした男性が書いたかと思われるものばかり。読んでいるだけで、お腹がすくを通り越して、満腹になってしまう。

まずは北海道帯広へ豚丼、飛行機に乗って行く。

青森の弘前へはいがめんち(いかメンチ)。

そして例えば、餃子の王将。王将は、店でオリジナルのメニューがあることで有名だが、水道橋店、高田馬場店、桜木町店、発祥の地京都店まで出かけて行き、レポートしている。

本のタイトルにもなっている、下町のステーキ店、東向島にある、「レストランかたやま」。

ここで、筆者は何と510gのステーキを平らげてしまう。随行していた若い男性の編集者は、完食の後、蒼ざめていたようだ。

実はこの店、私はこの本の中で唯一行ったことがある。確かに美味しくてリーズナブル。ランチもある。駅から徒歩8分くらいで、周囲には特に何もない所。よく選んだなぁと感心してしまった。

根室のさんまや、青森の風間浦村のアンコウなど、知らなかった地方の名産が載っていて読むだけで楽しい。

この本、特に餃子の王将について、こんなに書いてある本はそうないのではなかろうか。行ってみたくなった。

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