【書評】『約束された道』岡部明美著 自分らしく生きることで新しい人生が開けるのだ。

「自分は何のために生きているのだろう」そう思ったことはありませんか?

私は、「今生きている人は皆、意味があってここにいる」と思っています。
しかし、では「自分は何のためにここにいるのか?」となると簡単には答えが出ません。

そんな人が生きる意味を考える、そして、その為に乗り越えなければならない心の問題を強く考えさせる本でした。

ストーリー

この本の著者、岡部明美さん。仕事やプライベートで悩みを抱えながらも、頑張って仕事にまい進していたある日。お子さんを生んだその直後に水頭症と脳腫瘍という重病に見舞われます。

その後、ホリスティック医療と出会い、治りたい一心で、さまざまなワークショップに参加。当初は参加者だったのが、ワークショップでの気づきと人との出会いがきっかけで、逆にワークショップの主催者となり、傷ついた人々を癒す側の仕事を始めます。

心を癒す旅

この本は、ホリスティック医療を勧める本というわけではありません。岡部さんのような奇跡(脳腫瘍の影が消える)が起きる一方で、ワークショップで出会った方で亡くなった方とのお別れも語られています。

ホリスティック医療を受ける経験での気づきにより岡部さんが立ち直って行く過程を読むことで、私は自分の心の問題を考えるようになりました。

インナーチャイルドを癒す

「インナーチャイルド」とは、子どもの頃の記憶や感情。それが悲しみを抱えていると、大人になってからの行動に影響するという話を聞いたことがあるかも知れません。

岡部さんの話で印象に残ったこと。

それは、お母さまが年子の妹さんの世話に忙しいので、手のかからないいい子でいようとしていた子ども時代があったが、本当は母親の愛情に飢えていたこと。
そして大人になって寝たきりの重病を苦しんでいる一方で、実は世話をされることを望んでいたのではないかという内観。
さらに、本当は、自分も妹が生まれる前に母が世話をし、愛情を受けていたことを思い出す場面。

こうして、岡部さんのインナーチャイルドは癒されていくのです。

私にもきっとインナーチャイルドがいて、私が癒しに行くのを待っているのではないかと思いました。

頭とからだは違う

頭は「~すべき」ことを考え、からだは「~したい」と思っています。頭は「考えること」、からだは「感じること」とも言えるでしょう。この二つは別々のもの、違うのです。

問題は、「~すべき」との考えが、本当に自分で考えたことではなく、両親や社会一般、あるいは子どもの頃の経験から知らず知らずのうちに影響を受けたものである場合。

「~すべき」ことと「~したい」こと、その二つの間に齟齬があると人生は苦しく、病気の引き金になるのだと思います。スピリチュアルな話に聞こえるかもしれませんが、これがいわゆる現代医療でも使われる言葉である「ストレス」ではないでしょうか?

自分らしく生きる

考えることと、感じることが一致した時、つまり、自分のしたいことをする人生になった時、人は、初めて「生きる意味」を見出します。それは「自分らしく生きる」こと。

「自分らしい」という個性は、他人と競争しません。

本から引用すると、

バラがチューリップ嫉妬したり、楓が松と競争したり、大根が茄子と張り合ったりするだろうか。

もちろん、しないのです。
人は、自分らしさを見つけ、他人との比較から自由になることで初めて、新しい人生が開けるのです。

最後に

自分は何をしたいのか、がよくわからない人もいます。

それは、自分の人生ではなく他人に期待された人生を生きてきたから。あるいは、こどもの頃の経験に影響されて、自分で自分の人生に制限をかけているから。

自分は何のために生きているのか?時間をとって自分自身と向き合い、心の中を見つめ、自分らしい人生をみつけたい、と強く思いました。

著者の岡部さんが、大病をきっかけにして心を癒していき、その後に癒す側へ行く、つまり自分の人生を歩み始めるまでのプロセスが語られています。自分の人生を生きている気がしない方や、自分の知らない心の奥に関心がある方におすすめです。

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