【書評】『多動力』堀江貴文著「ハマって飽きる」を繰り返すことで生き抜く力がつく。

堀江貴文さんの『多動力』を読みました。
「多動力」とは、いくつもの異なることを同時にこなす力のこと。

この本には、これからは「多動力」が重要だと書かれているのですが、とてもわかりやすく説明されています。

百万人に1人の逸材になるには?

かつては、一つの仕事をコツコツ続けることが評価されていました。しかしこれからは、3つの肩書を持つことで、百万人に1人の逸材になれる、と堀江さんは言います。

リクルート出身で民間から初の効率中学校校長になったことで有名な藤原和博さん。彼もその著書でこう言っています。
一つのもののプロになるのに必要な時間は一万時間。一日6時間として、5年かかる。これで100人に1人の人材。そしてこれを2回繰り返すことで、100×100=10,000人に1人の人材になれると。

堀江さんはさらに、100点を目指さずに80点を目指して3つのものを習得し、百万人に1人の逸材になろうと言っています。

堀江さんが、「一人前の寿司屋になるまでの修業、下積みは不要」と言って物議をかもしたのは記憶に新しいです。確かに、出前やお店の掃除をして、寿司を握るのが上手くなるわけではありません。一つのものだけを下積みから学んでいく、という時代は変わって行くのでしょう。

飽きることは悪い事ではない。

かつては、「飽きっぽくて物事が続かない」ことはネガティブに語られていました。しかし、堀江さんは「飽きるということは、慣れて余裕がでたということ。成長のあかし。」と評価。

飽きたらすぐに他の興味のあることにとりかかればいいのです。
また、大人になると特に「知らないことは恥ずかしい」と思いがち。それについても、「知らないことは恥ではない。調べたり、聞けばいいだけ。」ときっぱり言い切っています。

重要なのは行動力。

今、重要なのは、時間をかけて綿密に計画を立てることではなく、行動力。
すぐに行動に移して、失敗したら修正しながらすすめていくことの重要性を「見切り発車は成功のもと」と書いています。

「自分の時間」を取り戻そう。

ここで言う「自分の時間」とは、「わくわくするような、自分がしたいこと」のこと。
限られた時間を「自分の時間」にするために、何を実践すればいいのでしょうか?

こんなことが書かれています。

付き合う人を選ぶ

スケジュールを見て、会う予定の人がいるとして、その人と会うことにわくわくするか?しないのなら、会うのはそれで最後にする。

メールが簡潔でないとか、突然電話をするなど、自分の時間を奪うだけの人とは付き合わない、という判断をする。

仕事を選ぶ

わくわくしない仕事はしない。例えば、経費精算のようなものは得意な人にアウトソースする。

私の心に残ったのは以上ですが、この本、章ごとに行動指針になる「やってみよう!」リストがついています。これも面白い。

感想

インターネットの登場で「仕事のしかた」が変わった、といろいろなところで言われています。

「知っている」より「行動」の価値

私が思うのは、「知っていること」の価値の低下です。いままでは、日々の仕事をしていくことで、知識が得られました。インターネットがない時代は、電話をしたり、本を買ったり、セミナーに行ったりして、やっとノウハウを得られたのです。
しかし、今は、玉石混交とはいえ、ネットで簡単に知識を得られます。とすると、これからは、「知っている」ことではなく「行動した」ことで得られた経験こそが価値につながるのだと思っていました。
この本は、まさに私が思っていたことをすっきりとわかりやすく説明していました。

プロジェクトのプロセスでの変化

会社内でのプロジェクトの進め方も、以前とは隔世の感があります。以前は、細かく時間をかけて計画を立ててから新しいものを導入していました。

しかし、ここ10年くらいですっかりその方法は鳴りを潜め、まさに「短期間で導入してしまってから、細かい問題点をつぶしていく」というやり方に代わりました。

ちょうど端境期の頃、当時の年配の管理職がプロジェクトの進め方にクレームをするのを見て、「ああ、この人はもう前時代の人になってしまった。」とがっかりしたことを思い出します。

決断する時の基準は「わくわくするかどうか?」

また、私が過去に大きい決断をした時の基準は、「わくわくするかどうか?」でした。転職や引っ越しなど、私は、論理的にも考えるものの、最終的には感情に聞いた方が納得感が大きい気がします。

行動力が課題

この本にはかなり極端なことも書いてありますが、そのベースの考えには共感しました。自分自身に落とし込むとすると、「失敗しながら経験を積んでいく」という行動力が今後の自分の将来を決めるキーになっています。

この本の章ごとにあるアクションリストに背中を押されながら、これからも「ワクワクすること」を探して行く予定。

「あと一歩、行動力が欲しい」という方、背中を押すのにおすすめの本です。

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