「気づきを得た」という言葉を聞くことがあります。ベストセラー本を読んだ時とか、講演やセミナー・ワークショップに参加した後など。
でも「気づきを得た」だけでは、人生は全く変わりません。では、どうすればいいのでしょう?
それは、得た「気づき」を「行動」に置きかえることです。最近実践しているその行動を決める方法を書きました。
気づきを得たとはどういうこと?
そもそも「気づきを得た」とはどういう意味でしょうか?それは本やセミナーなどで、学びがあったとか、感動した、勇気がわいた、やる気になった、などの、読者や参加者に感情の動きがあったこと。
ポジティブな意味であることは、間違いありません。
学びだけでは人生の現状は変わらないのはなぜ?
しかし、気づきがあっただけでは人生の現状は変わりません。
現在、自己啓発書やビジネス書、講演やセミナー・ワークショップがあふれています。もちろん良いものもたくさんあります。
ですから、参加者に「気づき」を与えるものは多いはず。しかし、「それによって実際に人生が変わった」という人は、一割にも満たないのではないでしょうか。
それは、どこが違うのでしょう?
シンプルなことですが、それは、気づきを得た後、自分の行動を変えたか変えてないかの違いです。
では、その変えるべき「行動」はどうやって決めるかです。
一生懸命のノートとりは役に立たない
例えば、セミナーやワークショップで、重要なことをメモする。
メモすることで頭に入るし、時間とともに流れ去ってしまうコンテンツを書き留めるのは良いことだと思います。
しかし、学校の授業のノートとは違うこと。それは、テストがないから、ほぼ、二度と読み返さない、ということです。ノートだけではなく、配布される資料も同様です。
残念ながら、最終的に頭に残るのはほんの少しでしょう。
一生懸命にノートを取ったからといって、こちらもそれだけでは人生が変わるわけではありません。
読書の場合はさらに、ただ読むだけでは「いい話だった」で終わってしまいます。
気づきから人生を変えるため、ノートを工夫する
そこで、気づきから人生を変えるため、ノートをとる時の2つの工夫です。
ノートは一冊にする
まず、使うノートは一冊にしましょう。
セミナー、ワークショップ、ブログ塾などに行った時に使うノートは一冊だけにするということ。
種類ごとにノートを作ると、その講座終了とともにそのノートはどこかにしまわれ、見なくなってしまうからです。
内容が雑多になってもかまいません。
いつも持っているノートは一冊で、それに全部が入っていますから、過去の内容をぱらぱらといつでも見ることができます。
ノートは、B5あるいはA4の方眼を横に使います。
一番使いやすいノートはプロジェクトリングノートです。
ミシン線がはいっていてページを切り取ることもできます。そしてリングファイルなので、半分にしても紙が浮かないので押さえながら書く必要がありません。
1冊
5冊セット
上記のプロジェクトリングノートは、50枚。ちょっと重いのと高いのが気になる方は、MUJIの再生紙5mm方眼ノート(税込み90円 2018年8月現在)を。再生紙なので、真っ白が好きな方には向ないこと、糸綴じなのでリングノートのようにはいかずに手でおさえる必要がありますが、書きやすいです。
こちらのノート、ネットで買えます。店舗は、大型店(東京ですと銀座・池袋など)なら買えます。全店舗にはありませんので注意。
MUJIの再生紙5mm方眼ノート
右側に赤で自分のこれからの行動を書く
そして、通常通り、気づきをノートに書くのですが、その時、右5センチくらいの幅はあけておきます。
そして、その右側の空白に「では、自分はどうするのか?という今後の行動(行動プラン)」を赤で書き込んでいきます。
これですと、例えば、本の著者やセミナーの講師がどんなに自分からかけ離れて偉い人であっても、「では、自分はどうするか?」と自分のレベルに置き換えて考えていますので、その時々の自分に合った行動プランを書くことができます。
また、ごちゃごちゃのメモを見返すのは骨が折れますが、ノートの右側にある赤い文字だけを読むのであれば、時間もかかりません。
そして、赤以外のメモを読むのは、赤の行動プランを読んでよくわからない場合のみでよくなります。
『黒と赤のペン二本を使うのは面倒ではないか』と思われるかも知れませんが、やってみると大したことはありません。気になる方は、ペン一本に3色がはいったものをお使いください。
尚、おすすめのペンは、圧倒的に、「ジェットストリーム」。ペンのすべりが通常のものとは全く違います。スルスル書けますよ。
消えるボールペンではないですが、間違えて気になる場合は、一線抹消で書きなおしておき、後で修正テープで直せばいいでしょう。
三色のもの。外側の色も選べます。
一色のもの。黒
一色のもの。赤
行動を変えれば結果が変わりますから、人生は少しずつ動いていきます。
気づきを行動に移す時の2つの壁
しかし、事前に知っておいたほうがいい、気づきを行動に移す時の壁が2つあります。
行動は地味でストレスがある
一つめは、赤く書いた行動プランをひとつひとつ実行にうつすのは、地味で苦しいものだということ。
「苦しい」はつまらないという意味ではありません。むしろ楽しいかもしれない。
しかし、ヒトが今までやったことがないことを始めるという時には、大きなストレスを伴います。
それは、ヒトの脳には
「決して今の自分に満足しているわけではない。変わりたい。」と思っていても
同時に「日々の行動は変えたくない。」とも思っている
という矛盾があるから。
行動プラン全部を実行するのは大変
そしてもう一つは、気づきを自分なりに引き直して赤の行動プランにしたにもかかわらず、残念ながら、さくさくとは実行に移せないという現実です。
私は、読んだり聞いたりした後、一週間以内に「手を付ける」ことを目標にしていますが、なかなかどうして進んでいきません。
というのも、考えてみればわかるのですが、その理由は「今までやっていた行動を何も捨てずに、新しいことを組み入れようとしているから」に他なりません。
時間も脳のエネルギーも有限です。新しい行動をいれる時には、同時に「何を捨てるか」も考えましょう。
気づき・学びは心の栄養です
さて、ここまで、「気づきだけでは人生は変わらない」と書いてきました。しかし、気づきは何の役にも立たないのか、というと、そうではありません。
例えば、私は子どもの頃から読書が好きで、本は心の支えでした。
また、講演・セミナー・ワークショップに参加するだけで、何とも言えない満足感がわいてきます。
エジソンやナイチンゲールや野口英世の伝記や小説は子どもに人気ですし、孫正義伝も大人に人気。
新しいことを知った喜びや興奮は、心の栄養になり、生きていく上で、その人の心のコアな部分を厚くしていきます。
大人になっても「ビジネス書だけではなく哲学書、小説も読め」と言われている所以です。
ですから、「何がなんでも見聞きして気づきがあったものを全部行動プランにする」必要はありません。
心の栄養になり、心が豊かになるだけでも十分目的を果たすものもあります。
まとめ
「気づきを得ただけでは、人生は変わらない」これを考え始めたきっかけは、私自身が「気づきを得ました」という言葉を一時期よく使っていたから。
でも、気づきを得ただけでは、人生は全く変わりませんでした。
本を読んだり、セミナーに参加したりして、どんなに感動して「これから頑張るぞ」と思っても、その熱は時間とともに冷めていきます。
特にその熱が他人から与えられたもので、私自身の心の中から発した熱でない場合、時間ともにその火は小さくなって、気づかないうちに消えてしまう。
とてももったいない。
そして、そこから脱出するために始めた工夫について、まだ道半ばですが、自戒をこめてここに書くことにしました。
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Photo by Aleksandr Eremin on Unsplash