「老い支度(おいじたく)」はいつするべき?「今」からです。なぜ?

ダイアモンドオンラインの「人生の手仕舞い」を読みました。

「人生の手仕舞い」とは、いわゆる「老い支度(おいじたく)」のことでしょう。

死ぬ前に自分の周りを整理する。

そう言うとネガティブなイメージかも知れません。

しかし、人は誰でもいつか必ずやって来る「死」に向かって生きています。そしていつ死ぬかわからないということは、皆、「老い支度」の適期にいる可能性があります。

自分の周りで見聞きした出来事と合わせて考えて見ると、「老い支度」は、実は老人になってからすることではなく、「今」からすることだと思いました。

身近にあった「老い支度」の話

娘と息子が驚いた、亡くなった後に見た母の家

ある講演で聞いたお話です。

ある方、Aさんとしますが、そのお母さんが入院先で亡くなり、弟さんと一緒にお母さんの家を整理に訪れた時のこと。

数年ぶりに家に入って二人が「あっ」と驚いたのは、その家の中が、ほとんど物がなく、がらんどうになっていたからです。

Aさんのお母さんは、こども二人には何も言わず、元気なうちから、ここ数年のあいだに少しずつ整理をして自分の人生を閉じて行っていたことがわかったのでした。

妻が亡くなった後はマンスリーマンションへ

同じマンションで、私が親しくお付き合いしていたご夫婦がいました。奥様は50代後半、ご主人は60台半ば。

奥様がご病気で急に亡くなり、「引っ越すから部屋に来てほしい」と私と同じフロアの友人の3人が呼ばれました。

聞いたら、マンションは売り、ご自分は家具付き・サービス付きのマンスリーマンションに引っ越しするとのこと。
家にあるものはほとんど処分するので、欲しい物を何でも持って行っていいよ、と呼ばれたのです。

元々綺麗好きな印象のお宅でしたが、タコ焼き器、ホットプレート、髪のカーラー、デジタル時計、などなど全てが箱と説明書つきで、すぐに人にあげられるようにきれいにしてありました。

また、以前趣味でやっていたという版画をいただいたのですが、「落款(らっかん。作品に押す印)がないので押してください。」と言ったら、「その趣味を止めた時に道具と一緒に処分したからないよ。」と。

「今現在」の趣味のテニスの道具以外は何もなく、そのテニス道具も「これからはもうしないから」と潔くあげてしまっていました。

トイレットペーパーなどの消耗品も、「引っ越し先はそれも料金に入ってるから」と全部私達にくださって、引っ越しされたのでした。

残念ながら先日お亡くなりになったのですが、おそらくお荷物は洋服など本当に少しだけだったのではないかと思います。

介護施設から海外旅行に行く

私の母がもう一人では生活できないので、いくつかの介護施設の見学に行きました。

その中の一つは閑静な住宅街にあり、隣の公園が借景になってとても素敵な施設。入居者は、寝たきりや痴呆の人もいますが、自活は出来ないけれども元気な人の割合も多い。

見学した時はちょうどランチが終わったところで、美しく髪をセットしておしゃれしている方もいました。

そして、中には要介護認定*の対象外、つまり介助も介護もいらない人もいて、しばしば海外旅行に行かれているとか。つまり、元気なうちに家も荷物も整理して、好きな事をして過ごしているのです。

要介護認定* 介護保険料を受けて介護サービスを受けるための認定。

「老い支度」は必要だと思った時にはもう遅い

ここまで、3つの話を書いて来ました。

  1. 亡くなる前に、数年かけて家を整理したお母さん。
  2. 奥様を亡くした後、家も持ち物も処分してマンスリーマンションに引っ越したご主人。
  3. 元気なうちに介護施設に入り、そこから海外旅行に行く人。

ここでわかることは、皆さん、死の直前に準備を始めたのではないということ。1の家ががらんどうになっていたお母さんでさえ、数年かかって準備をされていたのです。

母が年をとってわかるのですが、判断力は年々、体力と共に、本人が気づかないところで衰えていきます。そして、自分で生活できなくなった時には、大抵の場合、もう自分で整理する体力も判断する力も残っていません。

残念ながら「老い支度」は、本当に必要になってからでは遅いんです。では、「いつから」するべきなのでしょうか?

「老い支度」は、「今現在」に生きること

2で取り上げたご主人。この方は、「定年を過ぎて元気なうちに」「老い支度」を始めたように見えますが、そうではなくて若い頃からずっと「今現在」に生きていたのです。

持ち物が顕著なのですが、過去の趣味の道具などは持っていないし、モノはいつでも人にあげられるように必要なものだけをきれいに使っていました。

マンスリーマンションへ移る時、お子さんに必要なモノを譲った後にすぐに近所の私達を呼び、全部整理してしまったことでもわかります。

 

いつ死ぬのか分からないから、今現在必要なものだけにして、今を精一杯生きる。それは、「老い支度」ではなく「人生そのもの」。

ですから、「老い支度」は、「今から」するべきなんです。

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Photo via VisualHunt.com

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