私が社会人になってすぐ歯列矯正をしてから、かなりの年月が経過している。
従って、私はすでに今の自分の顔(正確には口元)に馴染んでいて、そのことも忘れかけていた。
しかし先日、久しぶりにこの話をしたら、友人が“面白いからブログに書けば?”と感想をくれたので、書いておこうと思う。
八重歯のある乱杭歯だったこと
今でこそ、私の歯並びは普通で、印象にない口元だと思う。でも以前は、大きな2本の八重歯、奥歯のうち2本は内側に倒れ、歯が思い思いの方向に生えている、いわゆる“乱杭歯”であった。
八重歯になる理由の一つに、乳歯の虫歯がある。乳歯が自然に抜けていれば、その順番で永久歯が生えて来るので、大抵はうまく全部が収まる。
しかし、虫歯などで抜歯をするとその順番が崩れ、犬歯が生えて来る頃にはそのスペースがないため、所謂”八重歯”として生えて来るのだ。
つまり、私の悪い歯並びの理由は、乳歯を大切にしなかったから。顎の形などの遺伝ではない。姉も弟も、普通の歯並びだ。
中学生の時に歯科医に言われた言葉
中学生の時に、近所の歯科医に相談に行ったら、“この年では矯正するのはもう遅い”と言われて諦めた。当時、矯正は小学生のうちにするのが普通だった。
歯並びの相談の時ではないが、この歯科医に言われた言葉をよく覚えている。
「女性は、お化粧やら服やら、外見を飾ることにとても熱心だけど、歯を見るとその人のことはすぐわかるよ。どのような環境で育ったのか、だらしない性格なのかきちんとしているのかどうかも。」
乱杭歯で、治療した歯だらけだった私は、とても恥ずかしかったのを覚えている。
しかし、例外はあろうが、この言葉は正しいと思う。
子どもの小さい頃は親がきちんと世話をしてよい習慣を身に付けさせ、また、その子どもが大きくなってからは自分自身のケアをしているかどうかが、歯を見ると一目でわかるからだ。
新入社員の時に矯正を決めた
大学を卒業する時まであきらめてはいたが、ある企業に就職して内定式に行った時に、同期に歯に矯正装置をつけている人がいて驚いた。
そして、中学生の時には出来なかった大人の歯列矯正が可能になっていることを知り、1年後に矯正を始めた。その後4年半かかって治療が終了。
美容整形との違い
歯列矯正と美容整形。
どちらも保険外で、お金がかかり、外見を変えることではある。しかし、大きな違いは、歯列矯正は(このように)堂々と人に言えることであろう。それがなぜかはうまく説明できないが・・・。
外見以外の意外なメリット3つ
笑顔を作るのが楽しくなったこと。
歯列矯正をする前の私は、がたがたの歯が見えないように、なるべく笑わないようにしていた。しかし、治した後は、笑顔を作るのが楽しくなった。結果、性格も明るくなった。(つまり、歯を治したつもりだったが、性格が改善したのだ。)
英語が上達したこと。
中学から大学まで、英語を話すと唾が飛んだり、うまく発音できなかったりしたのが一気に直った。そして、そもそも好きだった英語がさらに好きになった。
アメリカ人と話す時も気おくれしなくなった。(アメリカ人は子どもの歯並びを完璧に直す人が多い。)結果、英語が上達し、海外赴任に手を挙げられるほどに。
最後に、おまけ。矯正装置を着けている間、会社にいる外国人から若く見られたこと。
当時20代後半にもかかわらず、外国人のトレイニーから、新入社員の沢山いるような集まりによく誘われた。当初は気づかなかったが、歯の矯正のため、若いと思われていたようだ。(欧米の人は年を聞かないのでわからなかったらしい。)
歯列矯正は必ずしも必要でない
歯列矯正は私にとっては、とてもよかった投資の一つ。しかし、誰にでも勧めるものでもない。
というのも、矯正後に、学生時代の知り合いで、私の歯並びが変わったことに気付いた人はとても少なかったからだ。
自分の外見でとても気にしていることがあっても、実は、他人はそれほど見ていないことがわかる。
しかし、それによって、自信が持てずに、行動に良くない影響があったとしたなら、検討してもいいかもしれない。
問題は、外見そのものではなく、それによって消極的になっている心だからだ。
歯列矯正は、当時は数年かかったが、今は歯に矯正装置をつけて少しずつ歯をずらしていく方法以外にも、手術でもっと短期間に治せる技術も登場している。
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