鋼(はがね)の心臓に毛がボーボー。うらやましい営業部のおじさんを思い出しました。

以前働いていた会社にいた、営業部のおじさん二人を思い出しました。

当時の私は、そのおじさん達の売っている商品の経理を担当していたんです。

私の席に日参する管理職のAさん

まずは管理職のAさん。「こういう費用があるんだけど……」としばしば私の席に相談に来ました。

メールや電話で済ませない

Aさんの特徴は、「メールはしない。そして、絶対に電話だけで済ませない」というフットワークの軽さ。(べつにスリムなわけではないです)

「ちょっと相談があるんだけど……」といって電話をかけてきて、それから私の席にやってきます。Aさんの営業部があるのは違うフロアで、私の席と近いわけではありません。

私としては、電話がかかってきた時点で仕事が中断されているわけですから、そのまま電話で済ませてほしい。

しかし、なぜか、必ず席までやってくるんです。

「来ないで」と言っても来る

月締めの繁忙日と、決算の時。経理は全員、殺気立ってます。

決算前には、担当部署のかたには、「〇日から○日の△日間は、決算のため、ご相談を受けかねます。前もってご相談ください」と事前に連絡しています。

しかし、Aさんはものともしません。

どんなに私が怒っても、夜遅くても、Aさんは、気にせず、機嫌よく、電話してきます。

もちろん、私は、「すみませんが、今日は忙しいので時間がとれません。ごめんなさい!」ガチャッ。

しかし、数分後には、Aさんは、私のところにニコニコしてやってくる。これはもうホラー。

同僚の椅子に座って漕いでくる

Aさんの登場のしかたも独特です。空いている椅子に腰かけて、私のほうに漕いでやってくる。

気づくと横に立ってるっていうならまだわかりますよ。

気づくと横に「座って」いて、私の机のはじに両手を重ねてのせてさえいるんです。

しかも、何も考えずに近くの空いている椅子をとってしまう。

たまたま席をはずしていた同僚の椅子も遠慮なく……。机を見れば、仕事中だとわかるはずなんですけど。

その目的は……

そして、Aさんの相談の目的は?

Aさんの相談の多くは、かかった費用を、予算の縛りがある固定費ではなく変動費で処理してほしい、という交渉。しかも、使った後……。今ならコンプライアンスでアウトです。

Aさんが間違えているのは、費用処理方法を「交渉ごと」だと思っていること。経理処理はルールで決まっているんですけど。

もちろん、中にはグレーなものもあるかもしれません。

しかし、明らかに固定費なのに、変動費に計上なんてできません……いったい何回言ったらわかるんですかっ(怒)

これ、何度も言った。

5分で済む話がなぜか30分

そしてAさんはとにかく話が長い。5分で終わる話が30分~40分くらいかかります。

決算の繁忙期の30分って本当に大きい。何とかしてほしかったです。

Aさんの過去がわかった日

ある日、Aさんの意外な過去がわかって驚きました。

Aさん、ドイツ人の上司と話す

ある年の決算処理中。時間も夜遅く、例によってAさんから電話がきました。

本当に忙しい時で、「私は手が離せません。どうしても今日なら、上司に話してください」

ちょっと意地悪かなと思いつつ、Aさんに、私の上司に直接相談するように伝えました。

なぜちょっと意地悪か?それは、当時の私の上司が日本語が話せないドイツ人だったから。

その後、私の上司の電話が鳴り……やっぱり40分くらい、私の冷静な上司が長時間つかまっていました。

Aさんは英語ペラペラ

そして、後でドイツ人上司に聞いたら、「彼の英語はかなりうまい」

え~!?

いつも絶対に、結論から話さないAさんが、英語がペラペラとは!そして、後日、Aさんは前職で、何年もアメリカに駐在していたらしいと知りました。

Aさん、きっとアメリカでもあの調子で、人種差別されても気にしないどころか「気づかない」タイプだと断言できます。

あっ人種差別っていうのは、これです。欧米に行くと避けて通れません。

Aさん、愛嬌の勝利

私がどんなに怒っても、Aさんは、いつもニコニコして機嫌がいい。これはどうやら、私が怒ったことが、毎回リセットされてる!!!

Aさん、愛嬌の勝利でした。

Aさんみたいに鋼(はがね)の心臓に毛がボーボーなかた。うらやましいです。

次回は、同じく、私が何を言っても気にしなかった、営業部のBさんです。

Photo by Dane Deaner on Unsplash

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