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私が見た人種差別inドイツ。差別に「毅然とした態度」で返すことの格好良さ。

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過去に「私が受けた人種差別inドイツ」を書きました。


私達日本人が欧米へ行くと、アジア人であることは一目でわかるため、時々嫌な思いをすることがあります。それは、日本人に対してだけではありません。

インド人女性の同僚

私がドイツに赴任していた時、私が働いていたのはドイツ企業の本社内にある部署でした。そこでは、世界各国にある子会社の利益を管理・分析するのが仕事。

同僚たちには一人で数か国が担当として割り振られているのですが、子会社の担当にその国の人をあてている場合もありました。例えば、当時の日本担当は日本人でしたし、アメリカ担当はアメリカ人、インド担当はインド人というように。

そして、インドを担当していたのがMさんというインド人女性。インドで大学を出た後MBAも取得しており、御主人も同じ会社で働くインド人。そして二人の娘さんはアメリカの大学に留学中と聞き、「本当にお幸せですね!」と私が思わず溜息をついた相手です。

私のお菓子が発端

発端は、私が日本から出張で来た同僚にもらったお土産のお菓子。

ドイツ本社では日本と違い、オフィスは1人~3人の小部屋です。通常、個室のドアは、特別に忙しくて邪魔されたくない場合や会議中以外は開けているのがデフォルト。

ある日、Mさんが私の部屋に来ていたので、私はもらったお菓子を一緒に食べようと箱を取り出しました。それはカステラ巻で、普通味と抹茶味の2種類。
Mさんが1つを取り上げて個装を開けたときに、たまたま別のドイツ人男性の同僚Bさんが通りかかりました。

そこで私が「Bさんも良かったらどうぞ」とBさんを招きいれて、お菓子をすすめました。
そこでMさんが「Bさん、良かったら2種類あるから半分ずつ食べてみない?」と提案して自分のカステラ巻を半分にしました。

それに対してBさんは、チラッとMさんのカステラを半分にする手を見て、そのまま無視したのです。

Mさんも無視で応じた

Mさんのカステラを割る黒い手を見てハッとした私。

その後、Mさんは、そのまま黙ってカステラを口に運びました。

「半分ずつしない?」というMさんのおちゃめな提案に当初微笑んでいた私。しかし急に気まずい空気になってしまい、その後、どう取り繕ったのかはよく覚えていません。

「有色人種だからという理由とは限らないのではないか?」と思いたいですが、その場で私が感じたことに間違いないと思います。

Mさんの心のうちは?

私とMさんはそのことについて話すことはありませんでした。

しかし後日Mさんの家に「夫が出張でいないから食事にいらっしゃい」と招いてもらった時に彼女の心が少しわかった気がしました。

Mさんは鮮やかな黄色のサリーで出迎えてくれ、「サリー素敵。Mさん、とっても良く似合いますね。」という私に、「西洋人がサリーを着ているのも見たことがあるけど、似合わないわね。それは、私達とは肌の色が違うから。」と誇り高く答えたのでした。

それはMさんが、母国ではない国に住むことを自分で選び、相応の覚悟をしていること。ドイツは彼女をきちんと正規の労働者として受け入れていて、ドイツでの生活に満足しており、会社でのことは彼女にとっては些細なことであろうこと。そして、ドイツに同化することなく自分の国に誇りを持っていること。

差別にあっても毅然としていられるのは、とても強い心を持っているからだと思い、胸がいっぱいになったのを覚えています。

差別にあったら毅然とした態度で

過去記事「私が受けた人種差別inドイツ」に詳しく書いたのですが、もしも差別にあったら、「曖昧に笑ったりせず、毅然として対応する」ことが大切です。

それは、このインド人のMさんの対応や、本社で日本を担当していた日本人男性からも学びました。

その日本人男性のことを少し書きましょう。
本社で日本を担当していた日本人の男性Nさんは、アメリカの大学と大学院を卒業し、ドイツ語も堪能な人。

インド人の同僚との話に出て来たドイツ人男性Bさんは、当時、日本語を学び始めたところ。
ある時、日本語のレッスンから帰ってきた彼は、Nさんと私、日本人二人に向かって、「そのうち、僕の目はこうなるよ」と言って、両目を左右に引っ張って細くする、よくある東洋人への侮蔑の仕草をしました。

その時の、日本人のNさんの対応。

間髪入れずに「Get out! (出ていけ!)」

笑いながら私達に向いて目を引っ張っていたBさんは、すぐに止めて沈黙しました。
実はこれ、平和的に解決しようとすると「いやいや、これは差別ではなく区別(違い)なのだ。目が細いのが醜いとは言っていない」と言い訳をする人がいます。

Bさんが沈黙した、ということは、やましい差別の気持ちがあったのと、Nさんが優秀で、何か言ったら英語でもドイツ語でも言い負かされるのが明らかだったからでしょう。

Nさんのようにはなかなか出来ないかも知れませんが、怒った顔をして無視することなら出来ます。差別に合ったら曖昧に笑ったりせず、毅然として対応すること。これは私がドイツに住んでいた時に学んだことです。

最後に

中国人の同僚には「私、先日こんな目にあっちゃって……」などと人種差別について時々こぼしていた私。しかし、今思えば、それは「期限付き」で駐在していたから言えたことです。

もしも「日本でない国、アジア人への差別がある国でずっと生きていく」としたら?
インド人の同僚Mさんのように、強い心を持って腹をくくる必要があるでしょう。

それを考えると、日本人として日本に住んでいることで得られている今の状況に感謝がわいてきます。そして、日本で「差別をしてはいけない」ということも考えるようになるでしょう。

私は日本でずっと育ったため、当初、差別に対してどういう反応をしたらいいのかわかりませんでしたので、対応について書くことにしました。参考にしていただけたら幸いです。

尚、アジア人への差別をするのはごくごく一部の人で、ほとんどのドイツ人は親切です。

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Photo via Visual Hunt

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