過去記事にも書いていますが、私が仕事で英語を使うに当たり、英語の発音で諦めて線引きしたものがあります。つまり「英語の発音の手抜き」。
細かい一つ一つの発音に気をとられるより、結果として相手に通じやすい音であることのほうが重要だからです。20年以上仕事で英語を使っていますがこれで問題が起きたことはありません。
ただし、手を抜くものは「手を抜いても通じる」発音限定です。
私の日本語が英語に間違えられた!?
日本企業から外資系企業に入社して、慣れるまで朝7時には出勤していた頃。ある朝、エレベーターに乗ったら、他部署のドイツ人のマネージャーらしき人が乗って来たのです。
英語を話すのが気恥ずかしかった私は、「Good morning! 早いですね~!」と英語と日本語で言いました。
その人は、「Good morning! 」と答えました。
そして、私より先に降りる時に、「Have a nice day, too. 」と言って降りて行ったのです。
私の「早いですね~!」が「Have a nice day! 」に聞こえたということに、私はびっくりしました。そして、彼らは英語の一つ一つの発音よりも音の塊の強弱を聞いていることに気付いたのです。
「聞こえないものは発音しない」と決めた
そこで、当時英語の発音に苦労していた私は、「聞こえないものは発音しない」と決めました。
日本人はスペルを見て全部発音しようとしがちですが、スペルは無視して聞こえる音のみ発音するようにしたんです。
例えば次の3つ。
・Butの「t」
・Hong Kongの「g」
・aの発音
Butの「t」や、Hong Kongの「g」は発音しなくてもちゃんと通じます。速く話している時のI think…のkも発音しません。
むしろButの「t」などは、「t」を発音しているつもりが日本人の場合不要な「o」が入って「バットォー」となってかえって聞きづらくなるのです。だったら「バッ」と発音した方が自然です。
aの発音は4つありますが、cap mapなどのa(アとエの間の発音と習うもの)と、それ以外は日本語のアと発音していて、私は2種類しか発音出来てません。eastとyeastの違いも・・・うまく出来ません。
手抜き出来ないものもある
ただし、手を抜くものは「手を抜いても通じる」発音限定です。
例えば次の3つはしっかりと発音を意識しています。
・RとL
・what【wάt】とfat【fˈæt】
・FuとHu
RとLは、実は私は違いを明確には聞き取れないのですが、ちゃんと違えて発音します。これは欧米人にとっては全く違う音だからです。
また、何を隠そうwhat【wάt】をfat【fˈæt】(太っている・脂肪)と発音していて、英会話学校の先生に通じなかったのは、私です。今はちゃんと発音出来ます。
FuとHuも発音の違いを理解する必要があります。
「Fu」=日本語の「フ」に近いと思います。唇を軽くこすって「フッ」という音を出し、口の先に小さく風が起こることを確認してください。
「Hu」は日本語のハ、を発音してから、同じ発音方法で口の形は「ウ」にすると出来ます。「Hu」は「Fu」と違って唇は開いたまま、口の先に風は起こりません。
会社にHudakさんという方がいたのですが、ドイツ人に違いを指摘されるまで何年もFudakさんと呼んでいました。おそらくほとんどの日本人がそうだったと思いますが・・。人の名前は正しく発音したいです。
最後に
日本人が苦手とする発音。
もちろん完璧に発音が出来るに越したことはないのですが、「仕事でコミュニケーションツールとして英語を使う」場合には、発音を気にして委縮するよりそこは緩く考え、代わりに仕事そのもの(私の場合は会計・経理)に労力をシフトした方がいいと思っています。
英語を得意でも好きでもない人が、仕事で英語を使わざるを得ない場合のとりあえずの解決策です。
完璧を目指さずに手を抜いて、まずは相手に通じるレベルでよしとしませんか?
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Photo credit: Rum Bucolic Ape via VisualHunt / CC BY-ND