ドイツでの人種差別。日本人-アジア人として差別された私の体験談と対処法。

ドイツに住んでいた時、自分がアジア人であることを強烈に感じることがありました。そう、人種差別をされた時です。
赴任は一年。一年も住んでいると何度もありますが、そのうち最初のものを。

たまたまドイツでのことですが、欧米に行けば時々あることです。
人種差別をされた時、あなたならどう感じ、どう対応しますか?

ランチ時のおじさんの暴言、店主の反応

海外には、それまでは観光旅行と数回の出張経験しかなかった私。
ドイツに赴任前に、シュベビッシュハルという田舎町でドイツ語学校の寮に住み、2か月間の集中講座を受けました。その時の出来事です。

授業が終わった後、近くのパン屋さんでパンとコーヒーを買いました。その日はとてもいいお天気で、パン屋さんの外のスペースにパラソルとスタンディングテーブルが一つ出ていました。

迷わずそのテーブルに行き、陽ざしを楽しみながらコーヒーとパンを立って食べていた時のこと。

私の後にパンを買いに来たおじさんが大声でパン屋の店主に話しかけているのが聞こえてきたのです。

「なんだよ、あの中国人は!何で陽の当たるいい場所をとって食べているんだ!」と。

私はびっくりして固まってしまい、顔を上げて店の中を見ることが出来ませんでした。ちなみにドイツでは、日本人・韓国人・中国人の容貌だと「中国人」と言われます。おそらくヨーロッパでは大抵そうだと思います。

店主は金髪の、昔はさぞやと思われる30代半ばの女性です。

その女性は美しい外見からは想像できませんが、いわゆる「姉御肌」だったようで、同じような大声で、パンを買っているお客であるおじさんに言い返しました。

「中国人だろうが、何人だろうが関係ないだろ!こんないいお天気なんだから、誰でも楽しんでいいんだよ!」

外で聞いていた私も驚きましたが、おそらくおじさんも驚いたのだと思います。そして、そのおじさん、店からパンを持って出てくると、私に、

「この店のパンは美味しいだろ?美味しいから、俺は毎日ここで買っているんだ。」と話しかけて、帰って行きました。

人種差別をされたらどうすればいいのか?

些細なことなのですが、ドイツに限らず欧米ではこういった差別に出くわすこともあります。では、このような場合、どうすればいいのでしょうか?

1つめは、「差別されることがある。」ということを知っておくこと。日本では西洋人、いわゆる白人は、アジア人に比べて優遇されて大切にされます。しかし、逆はそうではないのです。これを知っているだけで、「あ、来たか。」と思って傷つかずに済みます。

2つめは、「相手を変えよう」とは思わないこと。キング牧師のような偉大な人もいますが、私はそういったことには余計なエネルギーを使わないことにしています。外国人との付き合いに限りませんが、エネルギーは家族や尊敬する人や素敵な友人に振り向けます。

実際、この時に私は、話しかけて来たおじさんをちらっと見て横を向きました。日本だと「子供っぽい」と言われる態度ですが、失礼な輩かつ危害を加えないと思われる相手に合わせる必要はありません。

3つめは、今回のような場合は当てはまりませんが、職場などでは、ちゃんと「自分は不快だ。」と表現することです。

今後他の例も出しますが、実際に言うこともありますし、少なくとも怒った顔をすることなら誰でも出来るでしょう。

そうすれば、相手がもし今後同じことをすれば、論点は人種差別ではなくマナーの問題となり、相手は「人の嫌がることをするマナーのない人」になります。

場の空気を壊さないために曖昧に笑ってやり過ごすのは良くありません。

最後に

アジア人に対する差別。
海外に行ったり住んだりする際に、その国を些細なことで嫌いにならないよう、事前にこういうことがある、ということを知っておいてください。

誤解のないように言っておきますが、私が出会ったドイツ人の多くはいい人で、表立って差別をする人はごくごく一部です。実際、上の例でも、パン屋の女主人は、毎日来るお客に同調せずに私を大声でかばってくれました。

参考になれば幸いです。

職場で人種差別をされて対処した例はこちら。

Photo credit: MSVG via Visualhunt.com / CC BY

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