「労働市場で」評価される人材になるには?
労働市場で評価される人材になるには、具体的にどうすればいいか。まず、どんな経験やスキルを身に付けるべきか、はっきりさせることだ。
筆者の仕事のなかに、転職活動をする方の職務経歴書の添削がある。まず、いわゆる「キャリアの棚卸し」をしてもらう。実務経験・実績とスキルをリストアップするのだ。
すぐ転職活動をする人は「今現在持っているスキルと経験」で転職先を探すしかない。しかしキャリア相談でこれからを考えたい人には、実際のやりたい仕事の求人と自分のキャリアの棚卸しをした職務経歴書を見比べてみてもらう。すると自分に欠けているスキルと実務経験が明らかになる。
これが分かれば、セミナーやスクールで新しいスキルを習得する、仕事の担当替えや異動希望を出す、あるいは時期を見て転職活動へと進むことができる。
なかでも今後需要が高く、価値が高まりやすいスキルは英語とITだ。
英語は企業で従業員のダイバーシティが進みつつあるし、少子化で今後国内市場が縮小し、海外市場へ進出する企業が増え、需要が高まるだろう。
ITスキルについては日頃から、多様なガジェットを使いこなす、Twitterで情報収集する、Googleなどで検索する力をつける。インターネットの発達で「知っている」ことの価値が下がってきている一方で、玉石混交の情報から信頼できるものを短時間で選び取る力は今後ますます必要になる。
また、Excel・Word・PowerPointが使いこなせることは必須で、どの会社でも求められるスキルだ。「いまさらMS Office?」と思うかもしれないが、特にExcelは奥が深く、上級レベルまで極めておくと仕事の効率化に役立つ。得意でない人と大きく差がつくスキルのひとつだ。
2020年4月から小学校4年生の必須科目になったプログラミングも、今後特に若い企業で必須になるスキルだ。英語が話せない上司でも部下の英語力を評価できるのは、義務教育で英語を学んでいるからだ。つまり、学校でプログラミングを学んだ子どもたちが高校を卒業する10年後、プログラミングの知識がないと、業務の効率化について同じベースで議論ができなくなり、部下を適切に評価できなくなるだろう。