【書評】エッセンシャル思考 グレッグ・マキューン著 高橋 璃子訳 これは人生の断捨離だ。今までの効率化の本とは一線を画す。

よくある“効率化”の本ではない

みんな、とにかく忙しい。会社では仕事か増えると“効率化”が叫ばれる。そして、例えば、会社ではITを導入したり、海外にアウトソースしたり。自分はExcelを工夫したり、メールの挨拶文を二文字で辞書登録したりする。

この本は、そんな従来の“いかに沢山のことを短時間に済ませるか”というTipsとは一線を画している。

より多くのことをこなす技術ではなく、正しいことをやりとげる技術

一日に詰め込んだ仕事をやり遂げる。プライベートも充実させたい。そんな、努力と根性で頑張ることで、全部を手に入れようとするやり方ではない、新しい技術が、著者がここで言う“エッセンシャル思考”だ。

それは、トレードオフ(何かを手に入れたら何かを失う)を恐れず、些末な多数を切り捨て、本当に重要な少数を選び取る技術である。

どう、選択するのか

著者は、色々な例を用いて、些末な多数から重要な少数の選択の方法を説いている。
その表現は多彩だ。

「これしかない」と思えることを選ぶ。
絶対にイエスと言い切れないなら、それはすなわちノーである。
目標・基準を明確にする。
等々。

例えば、クローゼットの服は?

クローゼットの服からの選択についての例は面白い。こんまりさんややましたひでこさんの本を読まなくてもこの本で足りるかもしれない。

保有を迷うことがあったら、次の問をせよ、というのだ。
「もしもこれを持っていなかったら、今からお金を出して買うだろうか?」

身に付けるテクニックとは

そんな選択の力を身に付けるにはどうしたらいいのか?
習慣化の本によくあるように、小さく早く始めて、一つずつ習慣としてとりこむのが良いようだ。

まとめ

正直、本の表紙を見た時はピンとこなかったので図書館で借りた。しかしこれは手元に欲しいと、読んだ後、結局新品を購入した。

印象に残ったのは、“トレードオフを覚悟すること”。あれもこれもと欲張ると、本当にしたかったことに集中できず、どれもいい結果が得られない。例えば、隙間時間を利用していろいろやった結果、余った時間に疲れて何も出来なかった経験はないだろうか?

そして、“好印象よりも尊敬を勝ち取る”ということ。

これは、仕事で人に頼まれるとついつい引き受けてしまう人にあてはまる。

しかし、尊敬を勝ち取るには、”些末なこと”と判断して切り捨てて残った重要な仕事で、目覚ましい結果を出すことが求められるだろう。

人生をシンプル化するために、座右の書になりそうだ。
翻訳本は、概して読みにくいが、これは比較的さらっと読める。おすすめ。

追記 この記事は、2017年2月のブログ内人気記事ベスト5に入りました。2月の人気記事ベスト5

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