勝間和代さん著。私の知る限り誰も試みたことのないアプローチで、いかに家事を楽にするか、それがどうして得なのかについて、ロジカルにかつわかりやすく書かれている。
読者を励まして背中を押す精神論ではなく、数字による裏付けがあり、かつ、勝間さん自身が実際に試行錯誤して編み出した方法だ。
それでは、紹介しよう。
勝間さん一人で家事全部について書いている
家事についての本は、料理は料理研究家が、収納は収納アドバイザーが、ファッションはスタイリストが・・とそれぞれの専門家が書くのが一般的だ。
しかしこれは、勝間さんが一人で全部を書いている。だから一貫性があり、読みやすく、理想論でなく現実的である。
そして、ちょっと考えてみてほしいのだが、勝間さんは経済評論家であって家事評論家ではない。そこがまた面白い。だからこんな本が書けるのだ。
徹底したゼロベース思考。そして柔軟な考え方。例えば、料理。
料理のうまい下手は、センスのあるなしや熟練までの期間が必要だと、今でも一般的に考えられていると思う。
でも、実は、各種のスケール(重さ・容積を計る)・温度、時間をコントロール出来る調理器具があれば、誰でもすぐに美味しい料理が作れるのだ。これは、私は読んで初めて気づいた。技術は日々進歩しているというのに。
両手鍋・片手鍋・フライパン・圧力鍋・ゆきひらなどの鍋の種類を持って2口コンロを駆使して料理することに誰も疑問は持たないと思う。
しかし、勝間さんはヘルシオ2台・圧力IH鍋2台を使って調理し、コンロを使わないことで、時短と美味しさの両立を図っている。
また、野菜のリストが載っていて、下ごしらえに手間がかかったり場所を取る割に栄養価がない野菜には×(勝間さんははあまり買わない)がついている。
これぞ、先入観を徹底して排除したゼロベース思考で、感動さえ覚える。
誰でも出来るようにハードルを下げている
ここまで書くと、内容のハードルが高そうだが、ちゃんと庶民に合わせた内容になっている。
例えば、家電は型落ちでいいのでネットで安く買う、肉は100g〇円以内、などと、なるべくお金をかけない方法も説く。
そして、前述の”いかに得か”の計算では、時給千円のパートの賃金で計算しているほど。
本の趣旨から全くずれない
本書は“コンビニに買いに行くより楽で安くて美味しい”を目指している。
なので、本書に書いてある食品の値段だと、農薬・添加物・外国産の肉などの話を持ってきたら実現出来ないものもあるが、そういったことには一切ふれていない。
電磁波のことについても”その心配はオカルト”と一刀両断。余計な事は書いていない。
全部は無理でも、誰でも明日にでも一つから始められそうな内容なのだ。
家事を網羅した内容
食品の予算まで書いてあるのだから、本書は家計、何とお金の増やし方までカバーしている。(それ以外にも、えっ?ここまで?ていうところまで入ってお得な内容。読んでのお楽しみ。)
つまり、従来の“主婦”のやっていた仕事を全部網羅している。
“主婦”と書いたが、生活に必要なことが全部入っているわけで、この本は、今に就職して一人暮らしを始める人にプレゼントしたい一冊No.1になるのではないか。いっそのことこの本から家事の世界に入ればすごく近道。
まとめ
本文中、勝間さんの断捨離前の部屋の写真が出て来る。
勝間さんは昔からルンバを勧めていて、“は!?どうやってここでルンバを使ってたんですかぁ?”とツッコミたくなる状態だ。
勝間さんのように優秀な人の部屋がこんなに散らかっていた、けれども断捨離後はモデルルームのようにすっきりで、リバウンド無し。
「私にも出来るかも」と勇気がわく。多分これも勝間さんのねらいかな、と思う。
私はルンバはもう持っていて、その素晴らしさを体感しているのだが、知りあいに勧めると、大抵、“家が昔のつくりだから”とか、“家具が多いから”と使えない理由になる。
私はむしろルンバを使えるように部屋を変えるくらいの価値があると思っている。これからの家具の基準の一部(ルンバが下に入って掃除出来るように)になるのではないかと思うほど画期的だ。
ルンバ一つとっても、私達の固定観念はとても強固で、最初の一歩がなかなか踏み出せない。(私も使い始めたのは去年の夏だ。)しかし、その先にはよりよい未来がある。
勝間さんは新しいものを私達の代わりに試してみて、一番いいと思った方法を理由つきで教えてくれている。
この本に書いてあることは、100%真似する必要はない。対象は私より若い人達のようなので、私も全部そのまま賛同!というわけでもない。
けれどもその人に合わせて一つでも取り入れたり、応用させたりすれば、必ず家事の負担は軽くなり、より一層自分の人生に集中出来ると思う。
また、現在汚部屋で、そこから始める人は、「2週間で人生を取り戻す!勝間式汚部屋脱出プログラム」(書評はこちら)とセットで読むのもおすすめ。
この本に載っていて早速買った、魚焼きグリル用トレーの記事はこちら。
今日のたんぽぽ(我が家のねこ様オス)。本を撮ってる時に来るのは珍しい。勝間さん推奨で買ったルンバのおかげで長毛種のキミが飼えるんだよ。