「運用者直接対決!勝つのはひふみかさわかみか!?」に行って来ました!運用責任者の生の声を聞けました。

イベント名のひふみは「ひふみ投信」のこと、さわかみは「さわかみ投信」のこと。
どちらも独立系の投資信託。
よくメディアに取り上げられることから、投資信託にお金を預けていない人でも名前は聞いたことかあるのではないでしょうか?

どんなイベント?

さわかみ投信」主催で「運用者直接対決!勝つのはひふみかさわかみか!?」と銘打ったイベント。
ひふみ投信」の最高投資責任者の藤野英人氏をゲストに招いて「さわかみ投信」の最高投資責任者の草刈貴弘氏との『直接対決』となっています。

藤野氏・草刈氏それぞれの「運用者としてのこだわり」のプレゼンテーションと、セゾン投信の最高投資責任者中野晴啓氏をモデレーターとしてお二人への質問で構成されていました。

このイベント、知った時にはすでに満席。その後さわかみ投信さんが会議室を変更して追加募集してくれたので、そこに申し込んで何とか席を確保しました。

会場には130人以上の人が来ていました。年齢的には、30代から40代くらいの人が多く、男女半々くらいでしょうか。

では、早速ご紹介します。

イベントらしい始まり「猪木!ボンバイエ!」

「燃える闘魂」の曲が始まって、モデレーターの中野氏がレフェリーとして「青コーナー・・・」と、草刈氏・藤野氏を紹介。
お二人はボクシングのグローブをつけて登場。
左から、さわかみ投信の草刈氏、セゾン投信の中野氏、ひふみ投信の藤野氏。

イベントらしい、しかし投資信託のイベントとは思えない雰囲気ですが、そもそもこの広告の写真がこれですから。

「おじさんには負けないぞ。」と39歳の草刈氏。「今のは、僕もカチンときました。」とモデレーターの中野氏。「言わないでおこうと思ったけど・・若造には負けないぞ。」と藤野氏。(お二人は50歳超えています。)会場が爆笑して明るく始まりました。

草刈氏・藤野氏の紹介が終り、本編へ。

「ひふみ投信」藤野氏・「さわかみ投信」草刈氏のプレゼンテーション

共通の項目は表にまとめてみました。表の項目のお話もとても良かったのですが略し、そのほかで心に残ったことを。
「ひふみ投信」藤野氏
・海外のファンドが買収に名乗りをあげている東芝メモリー(半導体部門)は1兆5千億円だが、日本で買収の主体になれるファンドがない。日本では個人のお金が普通預金やタンス預金に眠っている。現在残高が増えているひふみだが、運用残高がもっと増えれば買うことも出来る。

・日本人で「会社が嫌い」な従業員は60%。日本人が勤勉だというデータはもうない。経営者と社員がいきいきと働き、社員が自分の会社が好きという会社に投資して社会が変わったら、その時にまた日本が復活するだろう。

「さわかみ投信」草刈氏
・以前より投資銘柄数を減らし、一社あたりの保有割合を増やしている。
それは、投資先の会社に長期的視野で利益を出してほしいから。
会社のお金を①株主・②政府(税金)③取引先(原価)④従業員(販管費)⑤銀行(利息)で考えると、もしも短期的に①株主への取り分を大きくしなければならなくなると、③取引先④従業員への分配を減らさなければならず、そうなると経済がシュリンクしてしまう。

モデレーター中野氏による藤野氏・草刈氏への質問タイム

いくつかピックアップします。

・シャープレシオについて
シャープレシオとは、投資リターン/リスクの数値。
数値は大きいほど良く、過去3年で、ひふみ投信は1.51、さわかみ投信は0.67。これを見るとさわかみ投信が低く見えますが、天才投資家として有名なウォーレン・バフェット氏でさえ0.8だそうです。
ひふみ投信の数値は非常に高く、R&Iファンド大賞等の受賞歴があります。藤野氏は、「今の数値はむしろ高すぎる。中小株に投資しているということは、経済が大きく下がった場合に倒産のリスクがある。それはここに含まれていないリスク。」とおっしゃっていました。
シャープレシオについてのスライドを見る両氏。

・日本株だけの運用で大丈夫でしょうか?

現在は両投信とも、日本株のみに投資しています。日本の人口や、大企業の状況を見ていると、楽観は出来ないでしょう。お二人とも明言はされていませんでしたが、藤野氏の「例えば、日本郵政とGoogleあるいはAmazon、どちらに投資したいと思いますか?」の言葉に表れています。

「勝つのはひふみかさわかみか!?」ですが、レフェリーの判定はなし。明言はされていませんが、投資信託はその投資スタイルに個性があり、数字だけの勝ち負けではないということでしょうか。

最後に

「お金を運用したい」と思いながらも、『投資信託』と聞くと、銀行や郵便局の定期預金にお金を置いている人は「リスクがあるんでしょ?怖い。」なんて思うかもしれません。でも、銀行の定期預金の低い金利では運用とは言えません。
日本は銀行預金やタンス預金が多く、投資信託にはまだお金が回っていない状態です。ライバル同士の投資信託が一緒にイベントをする意味は、小さいパイを奪い合うのではなく、業界全体を盛り上げていきたいという決意の表れでしょう。

また、経験年数の長さがメリットになるファンドマネージャーの世界で、「若い」と言われているさわかみ投信の草刈氏が、質問について全く淀みなく答えておられたのが印象的でした。会社の理念や運用についての考え方がクリアでなければこんな重責を担えないのだなと感じました。
藤野氏・中野氏が「脅威」とおっしゃっていましたが、これから若いファンドマネージャーがどんどん台頭して来るでしょう。そして同時に個性のある独立系の投信が沢山でてきて日本人がもっと投資出来るようになったらいいですね。

そして、お二人とも、運用責任者としてだけでなく、日本の未来への社会的責任についても言及されていたことも心に残りました。
投信について聞きに行ったのですが、「大人として、日本の社会がより良くなるように、自分に何が出来るか」を考えました。

<余談>

セールス、一切なし!
こういうところに行くと、資料を配られたり、アンケートに記入したり、当日の申し込み受付があったりしそうですよね。
でも、それは何もなくて、
「ご興味を持った方はぜひホームページをご覧になるか、お電話下さい。」とのこと。

写真OK、SNSでのシェアOKでしたので、こういうのが新しいカタチの広告なのかも知れません。
興味深い話を聞き、荷物もなく、軽々と帰ってきました。
引き続き勉強して投資したいと思います。

私は投資推進派ですが、くれぐれも、いきなり日本株のIndex投信にお金を全額つっこまないようにして下さい。私の失敗はこちらの記事です。

2つの投信のサイトはこちら。
*今回初めて知ったのですが、どちらも直販以外に401K(確定拠出年金)の取り扱いもあります。
さわかみ投信
ひふみ投信

藤野英人氏の本は面白くてわかりやすいのでおすすめ。


この本は少し古いですが、基本的な考え方としてためになります。

この記事が気に入ったら
「いいね !」 お願いします!役立つ情報をお届けします。

関連記事(広告含む)