思い遣るけど壁がある日本人。思い遣りはないけど受入れるドイツ人。

ドイツに行ってあんなに寂しい思いをするとは!冷たいドイツ人が嫌いになった過去。
でも、ドイツ人は冷たいわけではなかったのです。

親切な?日本人

日本のオフィスに、ドイツから研修生が来ました。

机をきれいにし、文房具や英文の座席表を準備して、ウェルカムカード「△△さん、ようこそ〇〇部へ!」と英語で書いた紙を机の上に置きます。

そして初日は歓迎ランチ。さらに最初の一週間くらいはランチの相手がいないだろうからと、部員で順番を決めてその人のランチに付き合うようにします。

また、事前に部内の主要な管理職の時間を確保して、彼に部の業務内容を説明してもらうようにお膳立て。仕事で他部署に彼を派遣する時は、担当者とその上司に事前によろしくとメールしておきます。

これは私がドイツ系企業の日本法人にいた時に実際にしていた事です。

冷たい?ドイツ人

日本人がドイツに赴任しました!実はその日本人、私なんですけどね。

初日は部署の人とランチに行き、カフェテリアのシステムや軽食が買える購買の場所などを教えてもらいました。

翌日は、「ランチは同じ課の人とか、同じ部屋の人とか、女性のグループとかで行くのかな?」と自然に合流しようと声がかかるのを待っていました。

しかしお昼になったら次々と同僚がいなくなり、気づいたら私はオフィスにぽつんと一人残されていました。

会社の敷地は広く、購買までは歩いて8分、カフェテリアは10分くらいかかります。途中に工場があり、男性が沢山日向ぼっこをしているので、その前を一人で通るのが苦痛。女性、特にアジア人は目立つのでじろじろ見られます。

まだ親しい同僚がいない私は一気に暗くなってしまいました。

仕事では上司と相談しながら業務に必要なコンタクト先を決め、自分でメールか電話をして予定を取り付けました。同室でも同僚の電話は取らないので、本人が不在かつメールを見ないと連絡がとれず、打合せ時間を入れるのにも一苦労でした。

いや、冷たくないぞ、ドイツ人

日本でのドイツ人研修生への気遣いとドイツでの私の経験は、わかりやすく日本とドイツを対照的に書きました。これだけ書くと、ドイツ人を冷たい人種だと感じるかも知れません。何を隠そう私がとても寂しい思いをしたのです。

しかしその後、私はだんだん勝手がわかって来て、考えを正しました。

“他部署に来た外国人からいきなり直接連絡が来て、簡単な自己紹介の後に「一緒にランチに行きませんか?」と言われる。あるいは、「あなたの仕事について質問があるので時間をとって説明してくれませんか?」と依頼される。”

会社にもよるでしょうが、こういったことは私がいた日本法人では普通のことではありませんでした。突然連絡が来たらきっと驚いたことでしょう。その時にすぐに親切な対応が出来たかは疑問です。

ランチだったらまず同僚から紹介があるか、打ち合わせだったら事前に一報があるのが普通だったからです。

しかし、ドイツで私が連絡した相手は、全然気にすることなく、ランチの約束も打ち合わせの約束も喜んでスケジュールに入れてくれました。それはとても親切な対応でした。

最初は「いきなり連絡して大丈夫でしょうか?」などと同室の同僚に確認していた私ですが、結局、慣れたらどんどん知らない人に連絡してランチや打ち合わせで知り合いを増やしていくことが出来たのです。

どうして違う?「一人一人は違う」という考えのドイツ人

この日本人とドイツ人の対応の差は、対人関係についてのベースになる考え方が異なるからではないかと思っています。

日本人は良くも悪くも人々の「共通の認識」が大きいです。そして自分の認識をもとに相手のことを思い遣って対応します。

ランチで言えば「一人でのランチは寂しいに違いない」「一人ぼっちでオフィスでお弁当は可哀そう」と自分が考えます。そしてランチの時に相手が一人にならないようにお膳立てするのです。これは大抵好意的に受け止められ、「思い遣りがある」と言われます。

そして仕事で言えば「共通の認識」のプロセス、例えば「初対面の相手との打合わせには、事前に上司から相手に一言頼んでおいてから本人が連絡する」などの方法をとります。そして違うプロセスをとった人に対して壁を作り、受け入れません。

一方、ドイツ人は、「人はそれぞれ違う」という考えがベースにあります。だから相手を尊重して、自分からは何もしません。
でも、相手が「ランチに行こう。」と言って来れば喜んで行きますし、直接質問に来たり仕事を頼んで来たりしたら、プロセスなど気にせず受け入れるのです。

ドイツ人は冷たくなかった

日本人とドイツ人の違い、いかがでしたか?読んでわかると思いますが、これは「どちらが良い、悪い」という話ではありません。

ドイツ人は、冷たいわけではないんです。

もしもドイツ人の輪の中に入る機会があったら、「思い遣りがない」「冷たい」と思わずに、積極的に自分から話しかけてみましょう。あっさりと受け入れられるので、驚くはずです。

日本人は「相手のことを思い遣って相手に言われる前にお膳立てをする」のが得意ですし、ドイツ人は「一人一人を尊重して、相手からアプローチがあったらすんなりと受け入れてくれる」のです。

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Photo credit: Flo’s shots 4 me via Visual Hunt / CC BY

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