“ワタル・プリ”って何?訛りのある英語のリスニングを鍛えるには。

昨日は、英語のリスニングの学習のコツをネイティブスピーカーの英語について書きました。

しかし、実は、仕事で英語を使っている人の多くは、アメリカ人・イギリス人とだけ話しているわけではありません。むしろ、いわゆる“国際語”としての英語を話すノンネイティブが相手のことが多いでしょう。

“訛りが強くて聞き取れない”対策は、家でCNNを聞くことではありません。きれいなネイティブスピーカーの発音をいくら聞いても、訛りの強い英語がわかるようにはなりません。

今回は、訛りのある英語のリスニングについて取り上げます。

インド人の英語が分からない

実は、私はインド人の英語が苦手。以前の仕事で、IT絡みの会議だと大抵インド人が参加するのですが、正直、同じ言語で話しているとは思えないほど理解できません。

“ワタル・プリ”って何だかわかりますか?これ、インド人訛りの“Walter please. ”です。これほど、違っています。

同じ会議に、一緒に仕事をしていた訛りの強いイタリア人もいたのですが、そのイタリア人に、インド人の英語→イタリア人の英語に通訳してもらう始末。

そのイタリア人は自分の訛りを知っていて、彼が話す時に「え?」と聞き返すと恥ずかしそうにして言い直します。

しかし、インド人は一般的にプライドが高く、自信満々、堂々としていて、自分の英語が訛っているなど気に留めません。インドでは英語は公用語ですから。

インド人の特徴的な仕草に頭を揺らしながら話す、というのがあるのですが、熱がこもると揺れも激しくなり、言葉が分からないなら顔とボディーランゲージで、と必死で見ていると酔ってきます・・・。

その時は、担当のITMの人が同席していたため、いざとなったら彼が分かるだろうとさっさと諦めました。

しかし、その後、もっと重要な局面でインド人が登場しました。転職活動の際、“次の面接はシンガポールのインド人との電話面接”と言われたことがあるのです。

“あ~、もうダメだ。”と思いました。“多分、インド人とはコミュニケーションとれないと思います。ましてや電話じゃ。”と言う私に、タイ人の転職エージェントが、“Youtubeで探してみたら?”とアドバイスしてくれたのです。

そして、あったのです、インド人の英語!このうち適当と思われる15分くらいの映像を毎日1回聞いたら、5日目くらいに英語に聞こえてきました。おかげで面接も、通常に比べて聞き返すのが多めだったものの何とか問題なく通過。

訛りのある英語を聞けるようになるには?

ということで、ピンポイントの訛りに慣れるには、Youtubeが便利です。

先にあげたインド人の英語以外にも、日本人が苦労する、シングリッシュと言われるシンガポール人の英語

中国人の英語もあります。

やはり教材がいい、という方には、Infosysの台頭でインド人とビジネスする人が多いのか、こんなものもあります。インド人の英語にどっぷり浸かりたい、あるいは浸かる予定で準備したい方にはこちら。

また、アジア人に限らず、色々な国の英語を聞くのにいい教材は、アルクのヒアリングマラソンです。これが聞ければ、映画も字幕なしでわかるようになるでしょう。

同時通訳者も苦労する訛りのある英語

先日、知り合いの同時通訳者の方と一緒にお食事する機会があり、以前から思っていた質問をぶつけてみました。

「国土の小さい日本でさえ、テレビのニュースで字幕が出るほど簡単にはわからない方言がありますよね。英語は、アメリカ人とイギリス人のみが使っているわけではありません。世界にまたがって使われているため、同時通訳の依頼もその二か国だけではないと思いますが、大変ではないですか?」

その答えですが・・。

「インド人とオーストラリア人がいる会議の同時通訳に入ったことがあります。20分毎に交代するのですが、自分が休みの時も完全には休憩はせずにサポートしました。数字など聞き取りにくいもののメモを書いて、通訳中の同僚に見せるのです。”インド人の英語専用の通訳”みたいな分けで通訳出来る人がいるといいのだけれど。」

とのことでした。

プロの方でも、訛りのある英語のリスニングには苦労されているのですね。

通訳はあらゆる訛りに対応しなければなりませんが、通常の仕事で英語を使う場合の相手となると、訛りの対象は絞られるのでは?一番簡単な、Youtubeで探して聞くことから始めてみてはいかがでしょうか?
Photo via Visual hunt

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