日本人の英語コンプレックス。ドイツ人が似ていると思う、私の実体験。

「コンニチハ。ワタシハ○○カラキマシタ」この程度の日本語に「日本語お上手ですね~」とよく言う日本人。これを鬱陶しく思っている西洋人が多いと聞いたことがあります。

そして、外国人が来ると、「私、英語できないから」と逃げたくなる日本人。

実はこの、簡単な自国語でも褒めることと、英語ができないというコンプレックスが、日本とそっくりな国があるのです。

ドイツ人は下手なドイツ語でも褒めてくれる

ドイツのシュトゥットガルトという地方都市に1年赴任していたことがある私。

私のドイツ語は生活がかろうじてできるレベルだったのにもかかわらず、会社でも、町での買い物でも、ちょっとドイツ語で話すと「あら!どこから来たの?」「日本から?ドイツ語うまいわね~!」といつも褒められて、とても嬉しかったです。

褒められるだけでなく、こちらの言葉を何とか理解しようと一生懸命聞いてくれるし教えてくれる。当時、ドイツ語の勉強を、とてもやる気になりました。

では、英語はどうか?ドイツへ行く前、日本で働いていた時に、仕事で使っていた英語を褒められたことは一度もありません。むしろそっちを褒められたかったのですが……。

そういえば、ニューヨークに観光に行った時、英語の発音が良くないと「はぁ?」と冷たく聞き返されたことを思うと、ドイツ人の対応は夢のよう。
ドイツ人は、下手なドイツ語でも褒めてくれるのです。

ドイツ人は英語が話せないと恥ずかしがる

そして、英語が話せない場合のドイツ人の様子にも好感が持てました。

私は毎月美容院へ行っていたのですが、必ず美容師さんが恥ずかしそうに最初に言うのが「ごめんなさい、私は英語が得意じゃなくて……。」

また、車をぶつけてしまったところにパトカーと白バイの警官が集まって来た時のこと。
私が外国人なのを見て、ひとりの警官が「おい、誰か英語のうまいやつはいないのか?」と他の警官たちを見回して、でも誰も話したがらない様子が見てとれました。

ドイツ人は、英語が話せないととても恥ずかしがって、「体当たりで話そう」などとはせずに、何とか避けようとするのです。

日本人との共通点は何なのか?

自国語を話す外国人を多少下手でもほめる。そして、英語が話せないと恥ずかしがる。
これって、日本語を話す西洋人に対する私達日本人のリアクションととても似ていると思いませんか?

日本人との共通点は何なのでしょう。

自国語を難しいと思っている

ドイツ語は難しいです。ドイツ語が難しいのは文法に原因があります。
名詞に男性・女性・中性があり、その使い方によって、冠詞・形容詞が変化。また、名詞と名詞がくっついて、別の名詞を作ります。
ドイツでは子どもの頃から、正しい名詞の性や冠詞・形容詞の変化を、親がしっかりと教え込むらしいです。

同じように日本語も難しいですよね。漢字は三千字知っていないと新聞を読めないらしいですし、漢字の読み方は一つの文字に対し一つだけではありません。日本人は小学校から高校まで、学校で新しい漢字を学び続けています。また、敬語は、日本人でさえ、自信がない人がいるくらい。

そう、ドイツ人も日本人も、自国語を難しいと思っているのです。

英語コンプレックスも同じ

ドイツ人も、学校で英語を学んでいます。しかし、ふだん話す機会がなければ、英単語を忘れてしまって話そうにもが英文が出てこない……のは自然なこと。
とはいえ、「英語が話せる」というのはその人の教養を表すので、話せないのは「恥ずかしい」のです。それに、何しろドイツ人からしたら、英語はドイツ語とルーツが同じで非常に似ているので、かなり簡単なはず。話せないとみっともないと思うのは、日本人の比ではありません。

日本人は、もう説明する必要がないくらいでしょう。多くの人が高校へ進学する現在、6年間も英語を勉強しているのに、ほとんど話せないとは……ふがいない、と思っています。

英語を学校で勉強しているのに、話せないのは教養がないみたいで恥ずかしい、とドイツ人も日本人も思っているのです。

上手くないドイツ語でも褒め、英語コンプレックスのあるドイツ人

ドイツ人は外国人の上手くないドイツ語でも褒めてくれます。また、英語を話せない人はコンプレックスがあるのです。
どちらも反応が日本人とそっくりで、親近感がわきました。

これは、当初は、「シュトゥットガルトが地方都市だからかな?」と思っていたのですが、大都市であるデュッセルドルフに住んでいた友人からも同じ経験を聞きました。

ドイツ人の「日本人と同じ」リアクションを見つけると嬉しかったわけ

ドイツに住んでいた頃、ドイツ人のリアクションに戸惑うことがよくありました。それは「日本人と違う」リアクションの場合。そんな時は「なぜか」を相手に聞いて理解するようにしていました。
しかし、日本人は共通の認識の範囲が広く、「なぜか」を相手に聞く習慣がないので、いちいち相手に聞くのがとてもストレスでした。

そんな中、ドイツ人が日本人と同じ様子を見せるのに遭遇して、最初はびっくりし、それからとても嬉しかったのです。
それは、「あぁ、この人は私達日本人と同じように感じているのだな」という親近感。

日本から遠く離れた国に住むドイツ人と、同じ気持ちを共有していることが分かって、とても親しみがわいたのです。

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Photo credit: wuestenigel on Visualhunt.com / CC BY

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