私が参加している勉強会の事例研究の一部で、ビジネスパートナーの選択に、参加者それぞれどのような基準を持っているのかを考える機会があった。
それは、友人の選択についての考え方とも似ていると思い、興味深かったので書いておきたい。
自営業者は?
自分でビジネスをしている人は、ビジネスパートナーも業者も好きに選ぶことが出来る。
そういうと、幸せなことに聞こえるが、例えば、ある人とは価値観が合わないが、ビジネスとしてはいい(お金になる)という場合もありうる。
そのような時の判断は難しいのではないか?
人柄と収益、それぞれの程度によって判断するのか?
会社員は?
他方、会社員では、ビジネスの関係者、上司も同僚も業者も自分の好みで選ぶことはほぼ出来ない。
(転職の一番の理由が“人間関係”であることから、会社のお仕着せの人事で“自分と合う人”とめぐり会うのがいかに大変かがわかる。)
しかし、会社員であっても、その“友達”の選択はどうか?
ビジネスオーナーの“お金”を“何がしかのメリット”と考えたら、ビジネスパートナーの選択と似たような状況になるのではないか。
つまり、例えば、価値観はあまり合わないけれども趣味が同じ、とか、学校や会社が同じ、とか、住んでいる場所が近所、とか、付き合っている期間が長い(お互いをよく知っている、いわゆる幼馴染とか)友人。
一緒にいて心地よくはないが、何かしら自分に利益がある場合、あなたは友達をやめるだろうか?あるいは逆の場合は?
自営業者のビジネスパートナー選びの考え方
勉強会での自営業者の人達の考え方は、お金になる(あるいはなりそうだ)という誘惑は大きいが、“価値観の合わない人とビジネスはすべきでない”という意見であった。
そして、“自分を振り返ったら、ビジネスがうまく行っている事案は、全部価値観の合う人とのものだった”という意見があったのは印象的だ。
リスクヘッジの方法
人柄選びに失敗すると、ビジネスにも力が入らず、時間とエネルギーを消耗してしまう。そういうことがないように、どのように見極めればいいのだろう。
“一緒に食事”で、ある程度わかると思う、という意見が多かった。BBQだとなおよくわかるとも。飲み食いだけでなく、どう働くか(あるいは働かないか)もわかるからだ。
また、「人からの紹介」はいい出会いの機会だ。気の合う人からの紹介は、すでにひとつフィルターがかかっているため、自分と合う人である可能性が高い。
もちろん、食事や紹介だけでは100パーセントはわからない。
そこで、ビジネスでは、事前に双方の了解のもとにマイルストーンを設定し、客観的な数値の目標を達成しなかった場合をExitと決めておくといいようだ。
そうすれば、数字に感情はないので、後々気まずい思いをせずに関係を止めることが出来る。
友人選びに応用出来る?
これは、もしかしたら、友人選びにも応用できるかもしれない。というか、こちらはきっと、無意識のうちに行っているのではないか。
自分にとって(あるいは相手にとって)100%パーフェクト、ということは、ほとんどないだろう。
大好きな親友に、意図せず傷つけることを言ってしまった、あるいは言われたこともあるかもしれない。
しかし、いわゆる“信頼残高”がある程度たまっている人とはお付き合いを続けていることが多い。
それは、逆にいうと、心の中にコップのようなものがあって、その中の信頼という水が空になると自然と関係が遠のく、ということだ。
こちらはビジネスと違い、互いの信頼残高の事前の取り決めなどは出来ないので、気まずい思いなしに終了するのは難しい。
しかし、もしも自分のストレスが多いと感じる友人がいたとしたら、今の信頼残高がどうか、一度考えてみてもいいかも知れない。
反対に、自分から離れていく人がいたとしても、悲しいかも知れないが、お互いの役目が終わったと考え、追わなくてもいい。
選ぶ、ということは、同時に選ばれている、という事なのだ。
まとめ
最近は、“断捨離”で不要なモノをなくしてシンプルに過ごそうという考えが多くなってきた。それは短い人生、好きなモノだけに囲まれて生きよう、ということ。
そして、モノだけでなく、人についても、好きな人だけに囲まれて生きたい,と考えるのは自然な流れであろう。
生きている限り、新しい出会いはある。そして、友人関係も、植物の水やりのようにメンテが必要だから、増えれば増えるほどハッピーというわけにはいかない。
ヒトに断捨離という漢字はあてはまらないが、出会いがある一方で、終わりがある、というのは”何かの終わりは何かの始まり”という真実ではなかろうか。
追記 この記事は、2017年2月のブログ内人気記事ベスト5に入りました。2月の人気記事ベスト5
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