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「環境整備」は、脳の意志力を節約できるから収益に結びつく。

環境整備」って知っていますか?一言でいうと、職場の整理整頓をすることで最終的には会社の業績も良くなる、という考え方。経営者の間ではよく知られた、会社を良くする手法なんだそう。

私が最近気になっている「脳の意志力」からアプローチしてみました。

整理整頓の徹底ぶりに驚く

アシスタントとしてセミナーのお手伝いをした時のことです。

セミナーは、ものくろさんのWordPressブログスタ-トアップ講座。「100年塾」という経営者向けの塾を主催する会社のオフィスで開催。

講座の内容は、環境整備とは関係ありません。しかし、その会場となったオフィスでは整理整頓が徹底されていて、ホワイトボード用のマジックペンの向きまでそろえてあり、びっくりしました。

そしてそこで、「環境整備」という考え方を初めて知りました。

「環境整備」とは?

環境整備」とは、職場の掃除・整理整頓をすることで、仕事を見える化できる。そして、仕事の改善ができるようになり、心が変わる。最終的には会社の収益がアップするという考え方です。

整理整頓と言えば、トヨタの5S?

そこですぐに思い浮かぶのは、『トヨタの5S』でしょう。『整理・整頓・清掃・清潔・躾』は世界的にも有名です。

『トヨタの5S』は、そもそもは工場に導入されたもの。商品を作る過程で重要なのは、作成に要する時間すなわち工場の人件費と、原料のコストを下げること。

道具を取りに行く時の動線は短いほうが良いですし、整理整頓されていることで、探し物をする時間も節約できます。

また、持っている在庫を最小限にすることで、不良在庫が隠れたりせず、在庫が見える化。在庫を最小限にするための、ギリギリに部品を工場に納品させる『カンバン方式』も世界的に有名ですね。

車と言えば、私が以前勤めていたドイツ車の輸入卸の会社。販売店のメカニックをトレーニングするための作業場があり、私はその作業場に、期末に機器の棚卸しに行っていました。

そこでの棚卸しとは、作業場にある10万円以上の資産、工具や機器がちゃんとあるかどうかを、帳簿にあるリストに基づいてチェックするのです。

作業場がきれいに片付いているのはもちろんですが、担当の人は、何がどこにあるのか全部把握していて、棚卸しはいつも超短時間で終わります。

機器には独自に印刷屋さんに出したと思われるきれいなシールが貼ってあり、番号が書きこまれて管理。他の拠点に貸し出してあるものもよくわかっています。

その方が、文房具や書類を取り出すのに机の引き出しを開けるところを何となく見ていたら、そこもものすごくきれい。私がヨメに行ったら3日で追い出されそうなレベルで引きました……。

まぁ、引いたのは冗談としても、とにかく車の修理を行う作業場は、修理に要する時間と工賃がきっちり決められており、モノを探す時間などありません。モノの配置も使う頻度やプロセスから、考え抜かれています。

また、工具が床に落ちていてそれに躓(つまづ)いたりしたら、ケガにもつながりる。

整理整頓は、安全面でも重要で、それが叩き込まれているから机の引き出しまできれいなのでしょう。

『環境整備』は工場だけでなくオフィスでも導入

さて、『環境整備』と『トヨタの5S』との大きな違いは、トヨタは工場で行っていますが、『環境整備』は工場に限らず、飲食店でも、在庫を持たないオフィスでも推奨されているということです。

工場では、秒単位の時間でも、ストップウォッチで計って減らそうと努力します。

他方、オフィスで「消しゴムがない」とか「あの書類、どこに行ったっけ?」と探していて叱責されることはありません。

また、机の上に、書類が積みあがっていて崩れそうになっていても、あるいは散らかっていてその人がオフィスにいるのか帰ったのかがわからないような状態でも問題視されません。

しかし、『環境整備』は、個々人の机だけでなく、共有の書類や文房具の置き場所などもきっちり決めて、きれいにするのです。

『環境整備』がなぜ収益に結び付くのか?

実は私、当初は、この『環境整備』が、在庫や工場を持たない事業でも、収益向上に結びつく理由がわかりませんでした。

もちろん、書類などがわかりやすく整頓してあれば、探す時間が短縮されます。でも、そこで節約された時間が有効に使われるかどうかはわかりません。

工場であれば、時間が余れば、期間工を減らして人件費が下がる。あるいは在庫を最小限に見える化することで、不良在庫をなくすと製造原価が下がる。といった、成果がシンプルにわかるのとは対照的です。

収益向上は、脳の意志力が節約できるから

しかし、そこで思いついたのは、脳の意志力のことです。脳の意志力とは何かというと、脳のエネルギーと考えていいでしょう。

『環境整備』で整理整頓することにより、脳の意志力が節約でき、改善など収益に貢献できる作業に割り当てられます。結果、収益が上がると考えたのです。

ポイントは、節約できるのは「時間」そのものではない、ということ。

例えば、ものすごく集中して仕事をすると、短時間で終ります。しかし、脳の意志力をたくさん使って脳が疲れているため、時間が節約できても、余った時間を有意義に使うことはできません。

では、どうして整理整頓すると、脳の意志力が節約できるのでしょうか?

脳の意志力はどう使われるのか

さきほど、脳の意志力とは、脳のエネルギーだといいました。それはどのように使われるのでしょう。

脳の意志力は、朝起きた時が一番多い状態です。

そして、起床後、着替えをする、歯を磨く、電車に乗って通勤する,車の運転をする……といった習慣となっている行動には、意志力は節約されて少しだけ使われます。

しかし、会社に着いて、初めて経験するプロジェクトで紆余曲折したり、緊急事態の対応をしたりするうちに、意志力はどんどん使われて時間とともに減っていきます。

そして、家に帰る頃にはもう残高はほとんどない状態。

それから夕食を作るとします。子どもの頃に料理・洗濯などの家事をすでに習慣のように身につけている人は、冷蔵庫のありものでちゃちゃっと作る。そこに使う意志力は少なくて済みます。

しかし、料理本を見ながらしか食事が作れない人は、料理を作る気持ちになれません。それに使う多大な意志力はもう残っていませんから。

その後のお風呂や歯磨きには、意志力は不要ですが、もうあとは寝室へ。

このように、朝満タンだった脳の意志力は、一日の終わりにはなくなってしまいます。

習慣は脳の意志力を節約できる

では、整理整頓されているオフィスでの脳の意志力について考えてみましょう。

整理整頓されていて、ものの場所がきっちり決まっていれば、何回か使えば無意識に取りに行けるようになります。

また、モノを元の場所へもどすのにも、例えばハサミの形のスペースを作っておき、ハサミはそこへしまう。一目で戻す場所がわかるので、脳の意志力は最小限で済みます。

習慣になれば、取り出すのにも戻すのにも、脳の意志力は不要。整理整頓の、脳への効用です。

目からの情報収集での疲れがない

また、人は起きている間、ずっと情報収集しています。特に目に入るものも、必要でないものを見ないようにしていても、情報は入ってきます。

よく「人混みが疲れる」という人がいますが、それは沢山の人が行き来するのを目で見て、音を聞いているから。

オフィスでも同様です。ちらかっている机や棚などを見ていると、脳がごちゃごちゃした情報を受け取っているため、こちらも意志力が吸い取られていきます。

よく、汚部屋に住む人が、片付く気力がないのは、大量のモノからの情報を脳が受け取ってしまって意志力を消費してしまうからでしょう。

「今やる仕事だけを机の上に出してやるといい」と言われるのは、他の仕事も机の上に置いておくと、その情報もとりながら仕事をすることになり、脳の意志力を無駄に使うから。

また、机の上に書類が山積みになっていると、あたかも机の主が、忙しく仕事をしているように見えるかもしれません。

しかし、その人だけではなく、周囲にいる人まで、脳の意志力を無駄遣いすることになるのです。

整理整頓による収益の増加

オフィスの整理整頓が収益の増加に結び付くわけは、モノを探す時間が短縮されるからではありません。

モノを探すのにも、余計な情報にも、脳の意志力を使わないため、脳が疲れない。

したがって、そこで節約できた脳の意志力を、改善や、いいアイデアに振り向けることが出来る。その結果、収益が増加するのでしょう。

『環境整備』は面白い

最初に聞いた時は、単なる精神論みたいに感じられてしっくりこなかった『環境整備』。

しかし、脳の意志力から考えてみたら、納得できました。「環境整備」は、脳の意志力を節約できるから収益に結びつく。

そういえば、スティーブ・ジョブズがいつも同じ服を着ていたのは、一日に仕事で沢山の決断をしなければならない中、服を選ばないことで、決断の回数を減らすためだったのは有名です。脳の意志力が有限なのを知っていたのでしょう。

会社を経営しているわけではない私がこれを気にしている理由。それは、これって、「家が片付いていない人の人生にも同じことが言えるのでは?」と思って寒くなったのです。収益を幸せに置き換えてみてください……。

脳の意志力については、以下の本がおすすめです。

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