嫌悪施設ってなに?1,000万円も安いのはなぜ?マンション探しで知ったこと。

嫌悪施設(けんおしせつ)とは
嫌悪施設とは、その存在が周囲の人から嫌われる施設をいいます。
具体的には、
1.風俗店など住宅地としての品格を下げるような施設
2.騒音、大気汚染、土壌汚染、悪臭、地盤沈下などを引き起こす公害発生施設
3.不快感・嫌悪感を与える施設(原子力関連施設、廃棄物処理場、下水処理場、火葬場、軍事基地、刑務所、ガスタンク、火薬類貯蔵施設など)
をいいます。どの施設が対象となるかは主観的判断やイメージ、時代性もあって、一様ではありません。
嫌悪施設の存在は住宅地の地価に影響を及ぼすマイナス要因となる場合もあるため、不動産会社は重要事項の説明として注意を払わなければなりません。
ライフルホームズ不動産用語集”より

新築のマンションを見学

あれはリーマンショックの翌年、2009年の終り頃。私は、分譲マンションを見学してまわっていた。

今住んでいるマンションに決めるまで11件見てわかったこと。予算が同じであれば、物件はさして違わない、ということ。

都内23区内で、駅から〇分以内で・・となると、同じような間取りと広さ、マンションの外観も同じレベル。

破格の値段のマンション

しかし、1つだけ例外があった。

幾つかまわった後に見つけたある物件は、明らかに私の考えている相場より1,000万円ほど安い。

下町とはいえ、23区内。当時勤めていた会社の駅まで日比谷線一本で通えて、最寄りの駅からも近い。

マンションの価格が1,000万円安いというのは大きい。キャッシュで買えればいいが、たいてい会社員は住宅ローンを組むことになる。

そのローンから解放されるまでの期間が圧倒的に短くなる!

しかし、何でだろう?

そういえば、昔勤めていた会社の建物の一部がお墓をつぶして作っていて、時々不可解なことがあり、同僚から「夜は絶対に一人で残業しないほうがいい。」と注意されていた。

格安な価格の理由は、“もしかして、お墓をつぶしたところに建てたから?”とぼんやり思った。

安い理由

マンションの営業に予約を入れて、すでに建設済みのマンションへ。モデルルームの一室を事務所にしていて、テーブルが3つ。それぞれに顧客が座って営業の人から説明を受ける。

アンケートを記入して渡し、テーブルで待っていると、そのテーブルがちょっと違う事に気付く。

上にアクリル板を載せてあり、近隣の地図を挟んである。昔、交番で道を聞くとお巡りさんが見せながら説明してくれた、マンション・ビル名やお店の名前が入ったものだ。

さて、担当の営業の男性から名刺をいただき、こちらの予算や、物件の設備・買えそうな部屋の見学にはいると思いきや、その感じのいい営業の方、テーブルの地図を指さしながらにこやかに説明を始めた。

マンションから徒歩10分くらいの所に吉原があること。(地図の指さした一帯にカタカナの店が並ぶ。)

そこの関連での犯罪や事件はなく、実害はないことなど・・。

「どんな感じですか?歌舞伎町みたいにネオンがあって騒がしい感じですか?」

「いいえ、夜に行くと、ところどころに街灯があって、いわゆる黒服の男性があちこちに立っていて、静かです。」

「物件をご購入されるにあたって気になると思うので、そうですね、女性ですので朝の11時ごろに一度見に行かれるといいと思いますよ。」

そうか、格安な理由はそれだったのか。そういえば、吉原がどこにあるのかなんて考えたこともなかった。駅の名前にもないし。

このマンションが人気の理由

話している間にも、.別の成約したテーブルで、営業の方たちの拍手がわく。(ちなみにこの販売会社は中堅のちゃんとした不動産販売の会社。私の行った物件で成約に拍手してたのはここだけだが。)

このマンション、かなりの人気でどんどん売れていた。

というのは、分譲となると前述の“吉原が近くにある”という理由で販売価格は格安であるが、賃貸で出す分には便利な場所で賃料はちゃんととれる。

だから投資物件として人気だったのだ。

こういう物件を買うかどうか?

私が行ったのは販売開始からすでに日が経っていたので、北向きの数部屋しか残っていなかった(私は日当たり重視で探していた。)

だから判断するのに迷いはなかったのだが、もしも南向きの部屋があったらどうだっただろうか?

不動産用語で、“嫌悪施設”という言葉がある。嫌悪施設が近くにある場合、不動産業者はそれがあることを顧客に知らせる義務がある。

それがあると聞いただけで、きっぱり買わないという人もいるかも知れない。だから、最初に説明があったわけだ。

“実害はない”けれど、人が嫌がる。こういうのを気にする人と、しない人。私はたぶん前者だけれど、あなたはどちらだろうか?

この記事を読んでいる方は、こんな記事も読んでいます。



Photo via Visual Hunt

この記事が気に入ったら
「いいね !」 お願いします!役立つ情報をお届けします。

関連記事(広告含む)