年収が高い会社員。しかし実は、いいことばかりではありません。
私は日本の大企業1社・外資系企業2社で合計20年以上働いた経験があります。役職が高い上司は、かなりの高級取りです。いいなぁとうらやましく思っていたんですが、実情を聞いてみると良いことばかりではありませんでした。
高い年収の会社員のリスクついてお伝えします。
高い年収にはリスクがある
年収が高い会社員って、いいなぁと思いますよね。
しかし、高い年収がいいことばかりなのは、勤めている会社がずっと成長し続けていて、そこでの雇用が続く保証がある場合のみ。
ということは、大企業でも将来安泰ではないと言われている現在、リスクもあるんです。
真っ先にリストラ対象になる
まず、年収が高い人は、リストラ対象になりやすいです。
リストラとは、「リストラクチャリング」つまり会社の事業や組織を変更して再構成してより多くの利益を出すようにすること。
その時の「コスト削減」で真っ先に減らすのは人件費。人件費は固定費の多くを占めていますから、手をつけやすい。
リストラでの組織変更で、例えば2つの部署を統合して管理職を1人に減らしたりすることがあります。
つまり会社が「あなたのポジションはない」と2名の管理職のうち1名に退職勧奨する。年収の高い人は1人辞めるだけで大きな効果がありますから、年収が高いとリストラ対象になりやすい。
もちろん、その人がいないと売り上げが上がらないとか、その人が会社の売り上げのほとんどの顧客を持っているなどといった事情の場合は除きます。
転職するのが難しい
では、リストラ対象になって辞めた後の転職はどうか?
年収キープでの転職が難しい
高い年収のポジションは、会社内だけではなく、マーケットでもポジションの数が少ないです。したがって、他の会社へ移りたくなっても、その年収を出せる会社自体が少ない。従って転職先を見つけにくいのです。
さらに、そういったポジションを争うのは優秀な人たちばかり。特に前の会社で実力以上の年収があった場合、転職するのが難しいです。
年収を下げる転職も難しい
「年収が下がってもいいからどこかに転職したい」というケースもあるかと思います。
その場合も、必ずしも応募先企業がもろ手を挙げて喜ぶわけではありません。
というのも、例えば、同じ1千万円を払うにしても、今1千1百万円の年収の方に1千万円払うのと、今9百万円の方に1千万円払うのと、同じ経歴だったら、応募先企業はおそらく後者を選ぶから。以前より年収が下がる人よりも、年収が上がった人のほうが、より頑張るだろうとみなされます。
経営者は、その年収以上に働いてくれる人が好きだからです。
従って、ダメというわけではないですが、面接での好印象のハードルが上がるでしょう。
入社した後に妬まれる
さらに厄介なのは、たとえ同じ年収あるいは下げての転職が成功したとしても、一流企業からの転職ですと外からは年収はわかりません。
むしろ周囲の人たちからは、実際より高い年収に見られることも。その結果、嫉妬され、入社後に部下や同僚と関係を築くのが難しくなります。
すぐに結果を出さなければならない
高い年収で転職に成功したとしても、その後が大変です。それは、年収が高いほど、すぐに結果を出さなければならないから。
しかも、慣れない環境と、子飼いの部下もいない状況で。
すぐに味方を増やすことができる人格者であるか、そうでなくても人を動かすのがうまいことが求められます。
対策は?
では、高い年収のリスクを減らす対策はあるのでしょうか?ズバリ言うと、うまい対策はありません。
ですが、エージェントの話を聞いていると、上手く転職できた人は普段から市場価値に敏感だったようです。万一リストラになったとしても、自分が得ていた年収が市場価値と比べてどうなのかを知っているかどうかで、転職活動のしかたが違いますから。
まとめ
高い年収の会社員。万一会社が傾いた場合、リストラの対象になりやすく、転職するのも難しい。転職したらしたで、慣れない場所で、短期に成果をだすことを求めらられます。
高い年収。うらやましいですが、リスクも高い。
しかし自分の市場価値を知っていれば、もしリストラになっても転職活動がしやすいです。
転職する気はなくても、数年に一度は転職活動をして、それを通して自分を客観視する習慣をつけておきましょう。
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