勝間和代さんの「勝間式超コントロール思考」を読みました。これは、より良い人生を創るため、コントロールすべき重要項目を網羅したバイブルです。
「コントロール」とは?
「コントロールする」と言う言葉を聞くと、あたかも「他人をうまいこと自分に利するようにコントロールする」のようなネガティブなイメージが湧くかもしれません。
しかし、この本での「コントロール」はそのような意味ではありません。
コントロールするのは他人ではなく自分自身。自分と言っても、「気の持ちよう」などではなく、自分の「選択」であり、「行動」です。
この本では、コントロール可能であると信じ、あきらめずに自ら働きかけること(コントロールすること)により、人生をより良くしていこう、という内容を以下の重要な項目に分けて書かれています。
コントロールすべき項目とは?
さて、この本に書かれているコントロールすべき重要項目をピックアップすると、
- 人間関係
- 仕事
- 家事
- お金
- 健康
- 娯楽
の6つ。
勝間さんのこれまでの著作をご存じの方は、いずれの項目も勝間さんが今までに著作でとりあげたことのあるテーマだと気づくでしょう。
人間関係
まずは、人間関係について。
人は一人では生きていけません。そして、人間関係というのは誰にとっても永遠の課題ではないでしょうか。
私は子供の頃母からよく言われました。「誰とでも仲良くしなさい」「嫌いな人とも仲良くしないと成長しないよ」と。
つまり、我慢して人に合わせなさい、ということ。
我慢強い=良いこと
たまたま近所に住んでいて歳が同じという共通点のクラスメイトと、誰とも分け隔てなく仲良くしなければならない。その中で友達が多いというのがやたら奨励される。
当時の私は全くそれに疑問を持ちませんでした。それは、母が生きた当時を考えれば決して的外れでは無いでしょう。
インターネットがなかった当時、私たちが他の人と出会う機会というのはとても限られていました。家族、親戚、同級生で、同僚。親になったらママ友、という狭い世界。そして、そこでうまくやらないと村八分にあうから。
けれども、インターネットの登場で、私たちは今、たくさんの人たちと知り合い、つながることができます。出会える絶対数が多ければ、自分と共感できる人とたくさん知り合うことが可能。
また、住んでいる場所が違っていても、FacebookやTwitterでその人の近況を知ることができますし、リアルで会わなくてもSkypeやZoomで画面越しに会話することもできます。
そこで、利他的な人とだけお付き合いし、例えば平気でドタキャンをしたり他人を利用しようとだけ思っているような人とは距離をとることができるのです。
そして、これが重要なのですが、そうやって友人を選ぶことは決して悪いことではありません。
むしろ人生を良くするため、そうやって人間関係を自分でコントロールすべきなのです。
仕事
次は、仕事についてです。
私は転職カウンセラーの仕事をしています。そしてキャリア相談で驚くのは、「我慢して頑張っていれば、いつか認められる」と勝手に思い込んでいる人がいることです。
一人も女性の管理職がいない、また、会社からも男女平等に昇進の機会があるといったアナウンスもない。
そして昇給もないのに、上司からの「よく頑張ってるね」という励ましの言葉だけで、「いつか認められ昇進できる」信じている女性がいるのです。
「我慢する」というのは一見優れた資質のように思われます。
しかし、「仕方がない」と受け入れてそのままにすることは「何も考えなくていい」「今までと違うこと、例えば他社を調べて転職活動してみるなどしなくていい」わけで、実は、楽な選択でもある。
ヒトの脳というのは、今までの習慣を好み、違うことをするとストレスを感じるようにできているので、実は「我慢する」というのは脳にとって楽なこと。
私は、そんな方には、転職「活動」をして自分のマーケットの価値の確認をし、他の会社と自分の会社を比べてみるように勧めています。「環境を変えたら活躍できるかも」と気づいてもらうためです。
私の例は、仕事の環境のことですが、以降は仕事の内容です。
「努力すれば報われる」「仕事量と収入は比例する」ことはありません。
勝間さんは「仕事を引き受けたその時にもう結果は決まっている」と鋭い指摘をされています。
つまり、ヒトにはそもそも向き不向きがあり、頑張りや、時間をかけることで、結果を出せるものではない。
自分が呼吸するレベルでできるような得意で好きなことを仕事として伸ばした方が、不得意なことを努力で埋めるよりもずば抜けて成果が期待できる、ということ。
一時の我慢が中長期的な幸せにつながる場合を除き、将来のない「我慢」は美徳ではなく避けるべきものなのです。
家事
詳しくは勝間さんの著書「勝間式超ロジカル家事」に載っているのですが、この本でもちゃんと家事について触れています。
ルンバ、ホットクックといった便利な家電を使いこなすことで最小限の手間で最良の掃除・料理ができるようになります。
毎日掃除するので気持ちがいい。外食はしないで自炊するので節約にもなり、健康にもいい。そして美味しいので満足度があがる。
家事についてコントロールすることは、以降に出てくるお金や健康のコントロールにもつながっています。
私も勝間さんのおすすめに従い、数年前からルンバを使っています。
自分で掃除機をかけるとなると、中腰になったり膝をついたりして大変なので、まさか毎日は出来ません。しかしルンバにやってもらうと、毎日、文句も言わずに隅々まできれいにしてくれます。
そして、その時間、私は他のことができるのでとにかく重宝。毎日、床がきれいで気持ちがいい。私は、ルンバだけではなく他の「家事のコントロール」のアイデアについても取り入れていくつもりです。
お金
勝間さんは、ずっと以前から収入の一部をドルコスト平均法で積み立てることを勧めていて、実は私はそのおかげで投資はプラスの結果が出ています。
「よくわからないものに投資をしない」という勝間さんの主張は当時から一貫しています。
ありがちな、よく知らない、そして研究する時間や労力もないのに、個別の株式に投資したり、仮想通貨に投資したりはやめたほうがいい、ということ。
また、ダイヤのたくさんついたブランド時計など、持つことによってプライドを満たすもののことを「地位財」と定義し、それにお金を遣うのは最大の無駄、と一刀両断。それ以外にもお金の使い方に対するTIPS満載なので、とりいれます。
健康
いうまでもなく、健康は一番大切なもの。もちろん注意を払っていても病気になることありますが、健康診断や歯のチェック・メンテナンスを定期的にすることで、大病になる前に手を打つことができます。
私も大病をしたことがあるのですが、その時には、早く見つけたために復活が早かったです。定期的なチェックは大事です!
娯楽
最後の「娯楽」についても少しだけ。
勝間さんは「経済評論家」で堅いイメージですが、よく遊んでいて、「脳のために遊ぶことも重要」だと位置付けているんです。皆さん、これから(も)堂々と遊びましょう!
「コントロールを意識する」を習慣化する
重要な項目6つを挙げてきました。
- 人間関係
- 仕事
- 家事
- お金
- 健康
- 娯楽
最後に、人生をより良くするため、重要な6つの項目についてコントロールしていくにはどうすればいいのでしょう?
それは、日ごろから「コントロールしよう」という意識を習慣化すること。
例えば、自分が不快だと思うことを我慢しないこと。不快に気づいて改善しようとすることで、時間はかかっても少しずつ人生が良くなっていきます。
私は、最初のほうの「仕事」の項目で、「評価される見込みのない環境」で働いている人を例に出しましたが、我慢に慣れてしまうと、人生を好転させることが、まさに「運頼み」になってしまうのです。
勝間さんは、出版記念講演で、例として、新幹線での検札(車掌が新幹線の席にチケットのチェックに来ること)がなくなったことを挙げていました。
もう10年以上前から「システムで、販売済みの指定席がわかるのだから、チケットなしに座っている人はわかる。無駄な作業だ」といろいろな人が言い続けた結果、やっとなくなったらしいです。
一朝一夕にはできない、でも、可能だと信じて前に進む!
これらのコントロールは、残念ながら一朝一夕にはできません。しかし、コツコツ少しずつ改善を重ねていくことで、何年もかければ大きくかわっていきます。
少しずつコントロールしていくことで、5年10年単位で振り返るときっと違った人生になるという希望を持ちました。
ふくから一言
勝間さんの本をたくさん読んでいるファンの方は、常に傍らに置き、バイブルとして。
そして、初めて勝間さんの本を読む方は、「お金は銀行に預けるな」や「勝間式超ロジカル家事」などに書かれている内容の要点も含まれているため、お得なエッセンスの詰まった本として。
この本、おすすめです!