新入社員の時は、何も持たずに入社するのが普通。しかし、転職となると、すでに仕事で培った仕事のスキルがあり、それを持ってそれまで勤めた会社を後にします。
しかし、その際に必ず捨てなければならない、「持って行けない」一番大きな資産があります。
それは、社内の人的資産です。社内ネットワークとも言いますね。
転職した友人が、
「分からないことを誰に聞くかも分からない」
と言っていましたが、社内の人的資産がないと、まさにその状態になります。
私は転職で3社経験していますので、それについてお伝えします。
「親しい」人がいない
1つの会社に5年~10年勤めていたら、特に社内ネットワーク作りに熱心でなくても、各部署に1人ずつくらい、親しい人がいるもの。
例えば、
- 若い頃に飲み会でよく一緒になった
- 同期である
- プロジェクト等で一緒に仕事をしたことがある
といった人たちです。
そういった人は、その部署の関連でわからないことを教えてくれますし、話を通すのに協力してくれたりします。
そして重要なのが、「自分もその人達を助けることが出来た」ということ。言わば持ちつ持たれつの関係だった人が会社には沢山いたはず。
しかし、転職するとそれはゼロ。以前の会社での知合いの有難みが身に沁みます。
どんなことが分からないか?
では、例えば、どんな問題にぶつかるのでしょうか?
事務手続き
入社一日目から始まる勤怠や、出張、業務費用精算、事務用品購入などの事務手続きの方法。これらはもちろん、会社によって違い、今はどこもシステム管理が普通だと思います。
操作を完璧に出来ればいいのですが、大抵ミスをして、その時のリカバリーの方法をまた聞かなければなりません。
IT絡み
また、どんな仕事でもIT絡みの仕事が複数あると思いますが、不具合の場合の連絡方法などもわかりません。
私が働いたある会社では、IT業務の多くを海外にアウトソースしていました。初日に上司と部署をまわって挨拶した時にIT部の人の少なさに驚いたのですが、いざ自分が使っていたシステムに不具合があった時に、そのことを思い知りました。
廊下を挟んで向こうにIT部があるというのに、不具合をシンガポールへ連絡し、そこから日本のITスタッフに解決の指示が来るのを待たねばならなかったのです。
「日本語対応もしていますが、日本語を出来る人が24時間いるわけではないので、英語で不具合を伝えた方が早いと思います」とスタッフに言われて英語で連絡しましたが、正直、自分の表現が正確に伝わったのか、そして、いったいいつ解決してくれるのかとても不安でした。
承認や根回し先
また、組織や、部署同士の関係を理解していないため、
- 物事を通す時の承認プロセス
- 事前に話を通しておく、あるいは会議に呼ぶキーパーソン
が分からなかったりします。
キーパーソンがわからない訳ですから、自分の部署の会議だけでなく、自分が2つの会議に呼ばれた場合にどちらを優先したらいいのかも分かりません。
では、どうすればいい?
最初の2ヶ月の初動が大切
勤怠や業務費用精算などの事務手続や会社についての理解は、一般的に「2ヶ月で全部覚えろ」と言われています。
これは、「あの人は新しく来たばっかりだからわからなくても仕方がない」という期間が2ヶ月とも言えます。
ヘッドハントされた役員レベルの人などは、「転職して3ヶ月で何らかの結果を出す」と言う人もいます。
私のような常人だと結果を出すどころか、仕事を覚えるだけで精一杯ですが、最初の2ヶ月の初動が大切なのは同じでしょう。
社内ネットワーク作りをする
最初は、わからないことは、同じ部署の人に聞きながらやっていくことになるでしょう。
そもそも人が減って多忙だから人を採用しているので、周囲は忙しくて聞きづらいかも知れませんが、仕方がありません。
自分が仕事に慣れれば、周囲の人も楽になるはずだと信じましょう。
そして、同じ部署の人たちと仲良くなると同時に、なるべく他部署の人とも接点を持つようにします。
そのためには、会議などで一緒になった人をランチに誘ったり、会社のイベントの時になるべくいろいろな人と話したりするといいでしょう。一度一緒にごはんを食べると案外仲良くなれるものです。
こういったことを意識してやらなければならないのは、2社目以降は、自然にネットワークが出来るのを待っていると時間がかかりすぎるからです。
正直、私はあまり社交的なほうではありません。しかし、会議や研修で知り合った人とランチに行ったり、会社のイベントなどは仕事だと割り切って、知りあいの人に同僚を紹介してもらったりしていました。本当は、知り合いだけで固まっていたいタイプですが。
そして「これは仕事」と割り切ってそのように振る舞うと、意外と楽しい人と知り合えて充実します。また、自分自身、慣れて来たようで、今は昔ほど初めての人と会うのが負担ではなくなりました。
また、「社内ネットワークを作る」というと、まるで「人を自分のために利用する」ように聞こえるかも知れません。しかし、そうではありません。
知合いが増えると、分からないことがある時にその人に聞くことが出来ますが、同時に自分への相談ごとも増えます。相手をサポートすることにもなり、相手の人にとってもプラスになるので何等やましいことはありません。
以上、転職すると捨てなければならない、持って行けない資産、社内ネットワークがいかに大切か、ということと、新しい職場では積極的に構築したほうが良く、そのためにはどうしたらよいかを書きました。
これは、転職だけでなく、部署を異動した時にも応用出来ると思います。
参考になれば幸いです。
本気で転職したい人の転職活動に成功するためのヒントを7日間にわたりメールでお送りしております。(無料)
今すぐ『本気で転職したい人の無料7日間メールセミナー』に↓
この記事を読んでいる方は、こんな記事も読んでいます。
Photo via Visual Hunt